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東方虚空伝
第一章   [ 胎 動 ]
一話 始まりの朝
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は部下としてしごかれるんだろうなー。

「なんだ〜しけた面して!初日からたるんでるぞ!!」

「庵さんはいつも元気ですね〜」

「そりゃオメー愛しの女房に可愛い愛娘を毎日見て抱きしめてんだからよー!!」

「そうですかまぁそんな事はどうでもいいので、入隊式って何処でするんですか?」

「そんな事だと!!…まあいい、こっちだ一緒に来い」

 そう言うと庵さんは建物の方に歩いていく。庵さんの後ろを歩きながら兵舎の建物や設備を眺めていたら不意に殺気感じて全力でしゃがみこんだ!次の瞬間僕の頭があった場所をナイフのような物が通過して行く。

「美香!いきなりなにするんだよ!今日は入隊式なんだよ?制服が切れたらどうするんだよ!」

「活を入れてあげただけよ、ありがたく思いなさい」

 僕を襲撃したこの子は「朔夜 美香(さくや みか)」朔夜家の長女だ。
 永琳とは違うセミロングの綺麗な銀髪で両サイドのもみあげ辺りを三つ編みにしている。間違いなく美少女に分類分けされる容姿。瞳の色は瑠璃紺。僕と同じ守備隊の制服を着ているけど女子の制服は下が膝丈のスカートになっている。
 僕より四つ下なんだけど外壁守備隊では先輩になる。彼女は一昨年入隊している。

「初日からそんなぬけたような顔して、恥ずかしいとは思わないの?」
 
「僕の顔は元からこんなぬけた顔だよ。どうしようもない」

 彼女とは修行仲間のようなもので、さっきのような不意打ちも結構いつもの事である。
 だけど今日は入隊式。式が始まる前に一張羅が台無しになったら目も当てられない!

「一般的にこういう時は空気を読めっていうよね」

「……無駄なタイミングでボケる天然には言われたくないわ。それにさっき投げたナイフに刃は立っていなかったわよ」

「ほーそいつはよかった。じゃなきゃ今頃俺の頭は真っ赤なトマトみたいな色になってたなーー!!」

「「 !?!? 」」

 二人して声の方を見るといつもの様にイイ笑顔をした庵さんが立っていた。
 おそらくさっき僕がかわしたナイフのような物を後頭部に突き刺して。
 間違い無く自分で刺した物ではない、僕に当たらずそのまま前方を歩いていた庵さんの頭(なぜ?庵さんは僕より20cm背が高い)に直撃したのだろ。美香の方を見ると案の定青ざめていた。

「“お前ら”覚悟は出来てんだろーーな!!!」

「ちょっと!僕は被害者だよね!悪いのは美香でしょ!!」

「虚空…私たちは同じ過ちを犯してしまったの…」

「なに共犯みたいな事言ってるんだよ!!明らかに美香一人の所為でしょ!!それに僕入隊式に行かないと!」

「そんなもん気にすんな。俺が上に話はしておいてやる…もう心残りは無いな?まぁ、あっても無視するがな!!
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