第一章 [ 胎 動 ]
一話 始まりの朝
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ドした後動かなくなった。
永琳はそいつが動かなくなったのを確認すると「ふん!」と言って去っていったのだ。
それ以降公園で永琳を見かけても誰も話し掛けなくなっていた。一部のバカを除いて。まあ、そのバカっていうのが僕の事なんだけどね。
実際どうして永琳に話し掛け続けたかは明確な理由は無い。ただ直感的にこの子とは友達になった方がいい!そう思ったからだった。
なんで自分に寄ってくるのか?と永琳に聞かれた時にこう答えたら「馬鹿じゃないの?」って言われた。今思い出してみてもあの頃の永琳は捻くれてたなー。
そんなこんなで結構な時間一緒にいる様になり永琳が僕に愚痴をこぼす様になっていた。
永琳は俗に言う「天才」らしい。そんな永琳に大人達は『その驚異的な頭脳をこの都のために、人々のために、妖怪を滅ぼすために使いなさい。君は選ばれた存在なのだから。普通の子供のような事を言ってはいけない』そんな事ばかり言われるらしい。
いくらなんでも七歳に期待を懸け過ぎだ。永琳がイライラしてあんな態度とるのも仕方が無い。
「周りの大人は自分を子供扱いしない。甘えたいわけじゃない、でも窮屈で息が詰まりそう……私が周りと違いすぎたのがいけないのかな?私も“普通”に生まれたかったな」
そう言って永琳は俯いてしまった。正直僕には永琳の気持ちがうまく理解できない。それは僕が永琳の言う“普通の子供”だからだろうか?だから僕は“普通の子供”らしく単純な行動に出た。
徐に永琳の頭を撫でる。できるだけ優しく。
「い、いきなりなにを!」
永琳は驚きはしたが振り払ったりはしなかった。でもただ頭を撫でてあげるだけじゃだめだよな、そんな事を思った僕は永琳に一つの提案をする。
「じゃあ、僕が永琳を子供扱いするよ!あれ?なんか違うな……う〜ん、そうだ!兄妹になろう!そうすれば永琳も気兼ね無く僕に甘えられるよね!」
「ちょっ!、人の話聞いてた!別に甘えたいわけじゃ!」
「そうと決まればまずは……確かご両親に挨拶をするんだよね。永琳行くよ!!」
そう言って僕は永琳の手を引いて走り出す。そんな僕に永琳は、
「だから何勝手に自己完結してるの!!と言うか両親に挨拶ってそれ違うから!!」
「そういえば僕永琳の家って知らないやー!アハハッ、こっちで合ってるの?」
「人の話を聞きなさい!!!」
そんな流れで本当に永琳の両親に会って「永琳の兄になりました!これからよろしくお願いします!」って頭を下げたら永琳の両親ポカーンてしてたな。
その後笑顔で「こちらこそ永琳をよろしく」と言われた時の永琳の慌て様はすごかった。永琳の両親も永琳の気持ちには気付いていたみたいだ。
そんな事が始まりだったけど今では「お兄
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