DEAR KABY
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・・・まさか!」
「そう。ケム・ザレオンは最後の力を振り絞って・・・この本に魔法をかけたんだ!」
「魔法を解けば我輩への恨みをつづった文章が現れる仕掛けだったのか!?け、けしからん!」
「発想が貧困ね・・・確かにこの本が完成するまでの経緯は書かれていたわ」
「だがケム・ザレオンが残したかった言葉はそんな事じゃねぇ・・・本当の秘密は別にある!」
「なっ・・・何だと!?そして貴様、なぜ貴様は知っている?本を読んでいたのは娘だけだったはずだが」
エバルーの目線がアルカに移る。
アルカはエバルーを鋭い視線で睨みながら、ゆっくり口を開いた。
「・・・ミレーユ・イレイザー」
「はぁ?」
「俺の姉だ」
「それが何だ?」
ギリッとアルカが歯を噛みしめる。
「俺の姉はとある魔導士ギルドに所属する星霊魔導士だった・・・」
「!」
ルーシィは思い出した。
この仕事に行く前、アルカの様子が少しおかしかった事に。
自分の持っている鍵を見せた時、アルカは少し様子が変だった。
「姉貴は俺達と同じ、日の出を盗ってくるという依頼を受けた」
クリムゾンレッドの髪が揺れる。
黒いつり目に憎しみの光が映った。
「そして・・・俺の姉貴はテメェに殺されたんだ!」
「え!?」
「何!?」
「そんな・・・!」
ルーシィとハッピー、エバルーさえも驚く。
「テメェは一時期、赤髪のメイドを募集していた。赤髪だった姉貴は1人でこの仕事に行き・・・本を手に入れる直前にテメェに殺された」
「く、くだらん出まかせを!」
「出まかせじゃねぇ!姉貴は重傷を負いながら自分の家に戻り、最後の力を振り絞って俺に手紙を出した!そこにはこの本の秘密、この屋敷の主に殺された事・・・全て書かれていた!手紙は俺が1番信頼出来る女に預けてある。これでも出まかせと言えるか!?」
急激に下水道の中の温度が上がる。
炎の魔法を使うアルカが怒っているためだろう。
「とにかくこの本はアンタには渡さない!」
「つーか、テメェに持つ資格はねぇ!」
そう言ってルーシィは金色の鍵を構える。
「開け!巨蟹宮の扉・・・キャンサー!」
魔法陣から飛び出してきたのは、背中から蟹の足を生やした男だった。
サングラスをかけ、髪を編み込み、手にはハサミを持っている。
「蟹キターっ!」
ハッピーがはしゃぐ。
「絶対語尾に『〜カニ』つけるよ!間違いないよね!カニだもんね!オイラ知ってるよ!『お約束』って言うんだ!」
「集中したいの・・・黙んないと肉球つねるわよ」
興奮するハッピーにルーシィは冷たく言い放つ。
そしてキャンサーが口を開いた。
「ルーシィ・・・今日はどんな髪型にするエビ?」
「空
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