DEAR KABY
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ミを持ったキャンサーが跳んだ。
「ワキ役で十分なのよっ!」
そして、同時に攻撃を浴びせた。
炎でスーツが燃え、キャンサーのハサミによって髪の毛も髭も切られる。
「ハデにやっちまったな」
「ははっ。さっすが妖精の尻尾の魔導士だ」
「あい」
3人が笑い合う中、ルーシィは本をぎゅっと大切そうに抱きしめた。
その後、カービィの屋敷に戻ってきた一同は、盗って来た本をカービィに渡していた。
「こ、これは一体・・・どういう事ですかな?私は確か破棄してほしいと依頼したはずです」
「破棄するのは簡単です。カービィさんにだって出来る」
「だ・・・だったら私が焼却します。こんな本・・・見たくもない!」
そう言うとルーシィから乱暴に本を受け取る。
「カービィさん。貴方がなぜこの本の存在が許せないのか解りました」
「・・・!」
「父親の誇りを守る為・・・貴方はケム・ザレオンの息子だな」
「うおっ!」
「パパーーーーーーーー!?」
ルーシィとアルカの言葉にナツとハッピーが驚く。
「なぜ・・・それを・・・」
「この本を読んだ事は?」
「いえ・・・・父から聞いただけで読んだ事は・・・しかし読むまでもありません。駄作だ・・・父が言っていた・・・」
「だから燃やすって?」
「そうです」
それを聞いたナツは怒りの形相でカービィに詰め寄った。
「つまんねぇから燃やすだと!?そりゃあんまりじゃねぇのか!?父ちゃんが書いた本だろ!?お?」
「落ち着け、ナツ!」
「言ったでしょ!誇りを守る為だって」
怒鳴るナツをルーシィとアルカが押さえる。
「えぇ・・・父は日の出を書いた事を恥じていました」
そこからカービィは全てを語った。
31年前、突然帰ってきた父親が作家を辞めると自らの手で腕を切り落とした事。
その後入院した父親を憎み、罵倒した事。
そしてその後、すぐに父親が自分の人生の幕を自分で下ろした・・・自殺した事。
「しかし年月が経つにつれ、憎しみは後悔へと変わっていった。私があんな事を言わなければ、父は死ななかったかもしれない・・・と」
そう語るカービィの他に誰も声を出さない。
「だからね・・・せめてもの償いに父の遺作となったこの駄作を・・・父の名誉の為この世から消し去りたいと思ったんです」
ポケットからマッチを取り出し、火をつける。
そしてそれを本に近づけていった。
「これできっと父も・・・」
「待って!」
ルーシィが叫んだと同時に、本が光り出す。
「え?」
「な、何だ・・・これは・・・!」
突然の出来事にカービィは驚く。
すると、本のタイトルの
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