暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四四幕 「ベター・パートナー」
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焦った顔で何度も何度もリストを見直すが、見直したところで書いてある内容が変わることはない。付き合いのある専用機持ちメンバーが全員登録済みというのもそうだが、一番当てにしていた箒がいつの間にかラウラと組んでいた事にも驚きが隠せない。

一夏はほぼ無意識に結章・鈴音ペアに目線をやった。大会で戦うと約束した親友と、優勝の暁には付き合うと約束した親友の二人。2対2だからサシの勝負ではないが、専用機同士のコンビであることからも彼らが本気で勝ちを取りに来ていることは理解できた。なればこそ、こちらも少しでも勝率を上げられるように頼れるパートナーを見つけようと考えていたのだが・・・

(どうする?そもそも俺の知り合いで頼めるのはもうベルとも会のメンバーしかいないが・・・皆実力は五十歩百歩の差だったはず。のほほんさんは・・・悪いけど争い向きには見えないから・・・)

自分の知り合いで、実力があり、尚且つまだパートナー申請をしていない人など・・・ん?

「そういえば佐藤さんは誰と組んでるんだ?」
「私は誰と組む予定もないなぁ・・・余ったメンバーはランダムで相方を決められるらしいからそれ待ちだよ」
「・・・佐藤さんって千冬姉にISの腕前褒められてたよな?」
「まぁ、不本意ながら・・・」
「なぁ、佐藤さん・・・」
「あーはいはいもう何が言いたいか分かっちゃったなー・・・お前は次に『佐藤さん、俺と本当に組んでくれないか!?頼む!!』と言うッ!!」
「佐藤さん、俺と本当に組んでくれないか!?頼む!!・・・・・・はっ!?」

本当に言い当てられてマジビビリしている一夏を眺めながら佐藤さんは嘆息する。別段組む気はなかったし、正直自分までお鉢が回ってくることになるとは思わなかった。だが、ここで断って他のモブ子と組んだ結果VTシステムで全員あぼんなんて展開がないとも言い切れない。
なにせ前回の事件も日にちと顛末こそ違えどコト自体は原作通り起きているのだ。何かしら起きてもおかしくはないだろう。その点自分はそれなりに逃げ回ることはできるから生存確率はモブより若干高い・・・はず。

(何より、ここで降りた結果、万が一にも死人が出たら私のなけなしの良心が痛むし)

恐らくこのへんが自分が“原作”に関わるかどうかの分水嶺(ぶんすいれい)のような気がする。だがこの時私の胸中に不思議と迷いはなかった。もしもこの世界に“原作”があったとして、この群集劇にきちんとした方向性があるのだとしたら、自分は遅かれ早かれ収まるべき役割に収まるのだろう。ならば、そこにたどり着くまでの選択肢くらいは一人の善良な人間として選ばせてもらおう。

「まぁいいよ。但し過度の期待はしないでね?」
「マジでいいのか!?よっしゃー!きた!佐藤さんきた!これで勝つる!!」
「人を盾にする気満
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