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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第9話:帰港中の一幕
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ら、
自分がどうするべきかを再び考えていた。

(母さんのことも父さんのことも好きなんだけどね・・・、
 父さんとケンカすると母さんも機嫌が悪くなるしなぁ・・・)

ゲオルグは肩を落として小さく息を吐く。

(でも・・・)

ゲオルグは顔を上げ、シャワールームの壁を睨みつける。

(家族は家族・・・だもんね。 やっぱり、会える時には会っておかないと、
 姉ちゃんみたいに突然会えなくなってもやだしな・・・)
 
大きく息を吸い、そして大きく吐く。

(やっぱり、父さんとも会おう。 それがいいよね)

ゲオルグはシャワーを止めるとブースを出た。
そこには制服を着たヒルベルトが壁にもたれて立っていた。
ゲオルグがロッカーの中に放り込んだバスタオルを頭からかぶるようにして
髪の毛を拭き始めると、ヒルベルトは壁から身を離して通路へつながる
ドアに向けて歩きだした。

足音でそれに気がついたゲオルグは、バスタオルを首からかけると
ヒルベルトの方に向き直った。

「ヒルベルトさん」

ゲオルグが声をかけ、ヒルベルトは足を止める。

「ありがとうございます。 おかげでいろいろ考えられました」

ゲオルグはそう言って深く頭を下げた。
ゲオルグが頭を上げたとき、ヒルベルトの姿はそこにはなかった。

「照れるくらいなら、言わなきゃいいんですよ」

先に通路へ出たヒルベルトに向かってそんな言葉を投げたゲオルグの顔には
満足げな笑みが浮かんでいた。


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