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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第9話:帰港中の一幕
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こなしていた。
訓練スペースの中には人型を模したターゲットが10体ほどあり、
それぞれがゲオルグに向かって光弾を打ち出してくる。

「よっ・・・と」

ゲオルグは時に飛び下がり、時に身体をひねり、時に身を屈めて
自らに迫る光弾をきわどいところでかわしていく。

(さてと、そろそろ反撃の時間だね・・・)

光弾を飛び上がって避けたあと、訓練スペースの床に着地したゲオルグは、
下半身のばねを生かして近くのターゲットに迫る。

「行くよ、レーベン!」

《はい、マスター》

レーベンが自身にゲオルグの魔力を纏わせ、ゲオルグがそれを
ターゲットに向けて振るう。
ターゲットはレーベンの刀身と接触した瞬間にピコピコという音とともに消える。

《マスター!》

レーベンの声が側面から迫る光弾への警告を発したとき、
ゲオルグはすでに視界の端にそれを捉えていた。

「わかってるよ」

口元に軽く笑みを浮かべながら、ゲオルグは床を蹴りつけて宙へと飛び上がり、
すぐ側まで来ていた光弾を避けると、それを発射したターゲットに向かって
急降下していく。
降下する勢いに任せてターゲットを刺し貫き、ゲオルグは一瞬息をついた。

(ふう・・・、次は・・・)

次に攻撃するターゲットを探そうと周囲を見回し始めたとき、
ゲオルグの耳にレーベンの声が届いた。

《マスター、後です!》

「えっ?」

レーベンからの声に混乱したゲオルグがその動きを一瞬止める。
自失はさほど長い時間ではなかった。
だが、ゲオルグを狙うターゲットたちには、そのごく短い時間で十分だった。
次の瞬間にはいくつもの光弾がゲオルグに迫る。

「うわっ!」

背中に光弾の直撃を受けたゲオルグは衝撃で数メートル飛ばされ、
床に叩きつけられた。

(くそっ!)

床の上にうつ伏せに倒れたゲオルグは、自分自身に向かって舌うちすると、
立ち上がろうと床に手をつき顔をあげた。

「あっ・・・」

周囲を見回したゲオルグは自分が置かれた状況に思わず声を上げる。
多くのターゲットに囲まれ、そのどれもが光弾を発射しようとしていた。

(やばっ・・・)

ゲオルグは今にも襲いかかるであろう衝撃に身を固くし、目を閉じた。
だが、少し経っても光弾による衝撃はやって来ず、不審に思ったゲオルグは
ゆっくりと目を開けた。

「あれ?」

そこには先ほどまで自身を取り囲んでいたターゲットが一つも見当たらなかった。
ゲオルグはゆっくりと立ち上がってもう一度訓練スペースの中をじっくりと見回すが
やはりどこにもターゲットは存在していなかった。

(訳がわかんないなぁ・・・なんで消えたんだろ?)

ゲオルグが混乱し
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