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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第9話:帰港中の一幕
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握った。
クロノはミュンツァーと手を放すとフェイトの方に向き直った。

「フェイト、身体には気をつけろよ」

「うん、わかってる。 クロノこそ無理はしないでね」

「ああ。 それじゃあな」

ミュンツァーとフェイトの目の前でドアが閉じられ、2人は艦へと戻るべく
ゆっくりと歩き始めた。
ホールでエレベータを待っていると、ミュンツァーはフェイトに声をかけた。
フェイトが返事をしながらミュンツァーの方を見ると、彼は笑みを浮かべていた。

「いいお兄さんじゃないか。 大事にしろよ」

フェイトは何度かその大きな目を瞬かせた。

「はい。 そうします」

そう言ってフェイトは笑う。
ちょうどエレベータが着いてドアが開き、2人は乗り込んだ。
ドアが閉まり下り始めたところで、フェイトが再び口を開く。

「それにしても、兄があんなに弱気になるとは思いませんでした」

そう言ったフェイトの顔は真剣そのもので、その眼には若干の狼狽の色があった。
フェイトにとってはクロノは常に頼れる兄で、弱気になるところなどは
見たことがなかったのである。

「彼の身の安全を考えればよく引き受けてくれたと思うぞ。
 下手をすれば首が飛びかねないからな」

ミュンツァーはそう言って自分の顎をさする。

「確かにそうなんですけど・・・」

首を傾げながら話すフェイトの声はだんだんと弱くなり消え行ってしまう。

「それよりもだ」

話題を変えるようにミュンツァーは殊更明るい声を出す。

「1週間、何をするんだ?」

ミュンツァーに尋ねられてフェイトはちょこんと首を傾げて考え込む。

(そういえば、1週間は休暇なんだった・・・。
 どうしよう・・・、何も考えてなかったなぁ・・・)

「なんだ、予定はないのか?」

ミュンツァーは呆れたようにフェイトを見る。

「ええ・・・」

フェイトは小さくそう答えると、自分の顎に指を当てて俯いた。

(1週間も何もしないのは暇だよね・・・。
 クロノの手伝いは断られそうだし・・・。あ、そうだ!)

フェイトはパッと顔を上げると、軽く手を打った。

「ちょっと友達に会いに行こうと思います。
 執務官になってから通信でしか話ができていないので」

フェイトは弾むような声で話す。
その表情は早くも久しく会っていない親友との再会への期待に満ち溢れていた。
ミュンツァーは年齢相応なフェイトの仕草を微笑ましく思い、笑顔を浮かべた。

「そうか。 しっかり楽しんでこいよ」

「はいっ!」

エレベータの扉が開き、2人は艦へと戻るべく歩き始めた。





そのころ、ゲオルグは艦内の訓練スペースでトレーニングプログラムを

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