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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第9話:帰港中の一幕
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い表情のままで目を閉じて
何かを考え込むようにしていた。
数分間、クロノの部屋を沈黙が包む。
やがて、クロノ顔を上げ目を開く。

「それで、僕に何を?」

「我々が見つけた書類からは、あの研究所で行われていたことの首謀者を
 見つけることはできませんでした。 しかし、我々は再び出撃しなくては
 なりませんから、本格的な調査はできません。
 なので、あなたに協力をお願いしたいのです」

「なるほど・・・」

クロノはミュンツァーの頼みを聞くと少しの間腕組みをして考え込む。
その間、フェイトはクロノの様子を不安げな表情で窺うように見ていた。

「残念ですが、ご存知のように僕は運用部の所属ですからそういった調査を
 公式に行う権限はありません」

目線を上げたクロノがそう言うと、ミュンツァーが落胆から目を落とす。

「そうですか。 では・・・」

仕方ありません、と言おうとしたミュンツァーをクロノは手で制した。

「ですが、僕もその件については非常に気になりますから、信頼できる知人に
 頼んでみますよ。 それでよろしいですか?」
 
ミュンツァーはクロノの言葉に対する驚きで目を丸くしていたが、
すぐに我に返ると大きく頷いた。

「もちろんです。 ありがとうございます」

ミュンツァーはクロノに向かって頭を下げた。

「ありがとう、クロノ。 私からもお礼を言うね」

ミュンツァーに続いてフェイトはそう言ってクロノに笑いかける。
だが、当のクロノは不安げな表情をしていた。
クロノの表情に気がついたフェイトがその理由について尋ねると、
クロノは少し言いづらそうにしながら話し始めた。

「その・・・大丈夫なのか? クローンや人体実験の現場を見てきたんだろう?」

フェイトはクロノの言葉に驚き、その眼を見開く。

「心配してくれるの?」

「当り前だ!」

フェイトが尋ねると、クロノは少し怒ったように声を荒げた。
クロノの様子に重ねて驚いたフェイトは、真剣な目でクロノをじっと見つめる。

「大丈夫・・・ではないかな。 だからこの件にはこだわっちゃうんだし。
 でも、クロノも心配してくれるし、仲間も支えてくれるから平気だよ」

「ならいいが・・・」

なおも腑に落ちないクロノは小さな声で言う。
そんなクロノに向かってフェイトはにっこりとほほ笑んだ。

「心配してくれてありがとう、お兄ちゃん」

「お兄ちゃんはやめてくれ、恥ずかしいから」

フェイトの言葉にクロノは照れから少し顔を赤くしていた。





「それでは我々はこれで」

「ええ」

クロノの部屋の前の通路でミュンツァーとクロノは別れの挨拶をしながら、
お互いの手を
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