五十一話 憎しみの光
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ールドを展開させる。その隙を突くかのように懐に潜り込んだゲイツが下からアンカーを放ち、差し込まれたアンカーを回収する要領で近づいてシールドに取り付けられたビームクローで貫く。
動きを止めたユークリッドに止めを刺す為に一機のゲルググが上からナギナタで陽電子シールドを突破して切り裂いた。しかし、流石に連合もやられてばかりではない。クローで攻撃したことで無防備になっていたゲイツをウィンダムはビームで撃ち抜きながら短剣を投げつけ、ゲイツは爆発した。
だが、この調子なら次の砲撃のタイミングは分からないがおそらく間に合うはず。そう思いつつも、それでも気を引き締めなければと艦隊の指揮を執ろうとしたとき―――
「いけませんわ!全軍に下がるように言ってください!」
「えッ!?」
何をいきなり言っているんだとダコスタは振り返るが、ラクスはただ一言そう呟く。
「憎しみの光が―――」
そうラクスが言った直後、一筋の光が中継ステーションごと巻き込み、ほぼ総ての部隊を消し去った。
◇
「嫌ッ、嫌ぁッ―――!?」
シンが出撃前にステラの顔を見ておこうとステラの部屋でいた時、突然ステラが叫び出してシンは困惑してしまう。
「ステラ!落ち着いて、ステラ!」
いきなり錯乱しだした理由が分からない―――いや、自分にも何か嫌な予感はするのだが、明確にそれが何なのか分からないのだ。言うなれば直感のようなもの。そんな当てにならないものをこの場で挙げるべきものではない。
「光が―――ステラを、人を殺していくの!?」
「大丈夫!ステラは死なせない!絶対に俺が守るから!!」
ステラのブロックワードである『死』という言葉自体はクラウの治療によって消えたのだが、『死』そのものに対する忌避感やトラウマが消えたわけではない。ステラは今でも死に怯えを見せるし、シンの守るという言葉に心を落ち着かせる。だからこうやって守るという言葉を言って精一杯抱きしめる。
「人が、一杯死んだの……」
少しして落ち着いたのか、それとも精神的に疲れたのか、彼女は寝息を立て始める。抱き付いたシンはそれに狼狽するが、ステラの顔に涙が流れていることに気が付き、そのままステラの部屋のベッドに寝かしつけた。そのまま部屋を出て、すぐにでも出撃準備を整えないとと思っていると、ルナマリアが急いだ様子でこちらに向かってくる。
「シン、何処にいたのよ!探したのよ、大変なことになってるんだから!?」
「大変な事?もしかして二射目が!」
大変な事と言われて敵の大型兵器の二射目がもう撃たれたのかと驚愕するが、ルナマリアはそれを否定した。
「違うわ、でも状況次第じゃもっと悪いかも……敵の別の大型兵器で第一中継点ごとゴンドワナが落とされた
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