五十一話 憎しみの光
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だ。だが、不幸中の幸いというべきか、プラント群中枢を狙っていたであろう射角はジュール隊とチャニス隊の活躍によって何とか角度をずらすことに成功し、プラント六基の被害に収まったと、悲しくもそう見るべき事なのだろう。
「続きを説明しろ!俺達の部隊はどう動けばいいッ!」
『イザーク、落ち着け!焦っても仕方がないぞ!』
「分かっている!だからこそ、正しい情報を教えろと言ってるんだ!」
『これよりゴンドワナ主力の月軌道艦隊が最も近く、攻撃の重要部となる第一中継点に部隊を集結させるようです。ジュール隊はそれに合流し、共に第一中継点と思われるステーションを破壊しろとの―――』
「直接ダイダロスを落とすには、次の掃射の時間が分からない上に戦力が限られている以上、それが最善とは言わずとも上策というわけか……ジュール隊、聞いたな!我々はゴンドワナに合流後、第一中継点を破壊する!」
イザーク達はそうしてゴンドワナ主力部隊に遅れて第一中継点と思われる所に向かっていく。
◇
「これは……ッ!」
一方で宙域を潜みながら移動していたエターナルもレクイエムの発射とその被害の情報が届いていた。
「なんということ……」
ラクスもその惨劇を前に思わず悲痛の声を漏らす。レクイエム―――連合がこれほどの兵器を用意していたなど思わなかった。元々クライン派のメンバーはプラントの人間が殆どであり、彼女らの情報網もプラントに依存したものになりやすい。連合の情報も手に入らないわけではないが、どうしてもザフトや連合などといった組織の情報網に敵うことはない。
その結果、彼女たちはレクイエムの情報について今まで一切握っていなかった。しかし、それでも知ってしまえば話は別である。
「私たちは、止めるべきです。あの殺戮兵器を―――」
エターナルの艦橋にいるメンバーは全員が肯定の意を示す。あんな兵器が存在してはいけない。まるで二年前のジェネシスのように総てを滅ぼすことが出来るようなあんな兵器などあってはならない。
「エターナルをあの兵器の第一中継地点へと向かわせてください。あのような兵器は、これ以上の憎しみを断ち切る為に破壊しなければなりません」
そう言って、彼女達はレクイエムを止めるために動いていく。
◇
一方で地上から宇宙に上がっていたミネルバやラー・カイラムにも連絡が届いていた。当然と言えば当然の事であろうが、二隻にはゴンドワナの主力部隊とは別行動によるダイダロス基地への直接的な奇襲作戦が命じられた。
「戦力が減ったこの状況でこの命令だ。正直、かなり危険な作戦だろうな」
マーレやルドルフがいない状況でこの戦力でただでさえ成功率が低いであろう作戦が成功するかは分からないが、ア
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