霜巨人の王
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なさそうだな。それはそうとユイ、見つかったか?」
「はい! 位置座標をにぃのマップに送信しておきます!」
スリュムの攻撃に当たらないように少し後ろに下がるとメニューを開き、マップを呼び出す
金色の山の中央付近にあるのを見て、鋼糸を操作する
「……見つけた……」
きらびやかに光る山の中でより格の違う輝きを見せる金槌。とりあえず柄に鋼糸を巻き付けておく
万が一、これで俺の知る神話と違っていた場合でも投擲武器として使えるだろう
「ユウキ、リーファ、待たせた」
「ううん、大丈夫。何かはわからないけど重要なことをやってたんだよね?」
「その重要なことを教えて欲しいんだけどね。なんか、知ってるような気がしてモヤモヤする」
ユウキがスリュムの踝に連撃を撃ち込みながら弾けるような笑顔を見せてくる
リーファは攻撃をしながらもユウキとは対照的に、先程から記憶を掘り返しているようで苦い顔だ
「まあ、この戦闘中にわかると思うぞ」
そう言いながら目の前になる毛皮のレギンスに包まれたスリュムのアキレス腱に一撃を加える
「……堅いな」
スリュムのHPバーの一段目の一パーセントも減っていない
今のところ一番ダメージ効率が良いのは後方から放たれるフレイヤの雷撃系魔法だろう
やはり、フレイヤがパーティ内にいること前提で調整されているようで、決定打というほど高くはないものの、雷が落ちる度に確実にHPが削られていくのはありがたい
「ソードスキルを使いたいんだけど、使おうとするとすぐに蹴りが飛んでくるから……」
「……試してみるか」
「何を?」
剣を正眼に構え、足に向かって振り下ろす
今度はスリュムのHPを一段目の五パーセントほど持っていった
「……何をやったの?」
「鎧通し。久しぶりにやってみたが、意外と覚えているもんだな」
「リン君の経歴が凄い気になるよ……」
「凄い! 漫画の登場人物みたいだね」
俺がやったのは防御の高い相手に有効な手であり、内臓にダメージを与えたり、防具の上なら内部に直線衝撃を与えたりする、割と知名度の高い剣技である鎧通しだ
剣術の師がおもしろ半分に教えてくれたのだが、まさかゲームの中でも使えるとは思わなかった
何はともあれスリュムに有効打が与えられてよかった
「ねぇ、リン。教えて欲しいんだけど……」
「別にいいが、とりあえずスリュムを倒してからな?」
「うん、わかったよ!」
ユウキのテンションが上がり、心なしかユウキの剣速も上がる
時折放たれる蹴りを流麗な動きで回避する様はまさしく、蝶の様に舞い、蜂の様に刺す、である
「攻撃パターンが変わるぞ! 全員注意!」
いつの間にか一段目のHPを削り
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