いつ、人生を間違った?
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再び彼の焦った声が嫌に響いて聞こえる。いや、なにもおびえているのは彼だけじゃない。他にも新人含めた俺の隊員3人も多少の違いは有れど皆巨人を前にして恐怖していた。
そして、また俺も。
……怖いといってもちょびっとだけどね。まぁ、9回も来てるわけだし?ま、まぁ怖いっちゃ怖いんだけどな。そ、そもそも巨人って何故あんな大きいんだろうか。大きいからこその“巨人”だが、人は自分より大きいモノに恐怖するものだ。
……素直に言えば、巨人マジ怖い。
「ルイビル、ライ。」
震えそうになる声をなんとか静めて、恐怖をまるで感じていない様子を装う。まったく、こうゆう事だけ巧くなったものだ。まったく全然嬉しくないが。
「「はい。」」
「馬を頼む。」
「「了解!」」
「ぺトラは一緒に来い!」
「了解です!」
俺は愛馬のカイーブを踏んで、立体起動装置のガスを吹かす。ぺトラも、一緒に来ているのを確認し更に速度を上げた。
「俺が注意をひきつける。その間にうなじをやれ。」
俺、15メートル級無理だから、そこらへんうろちょろしてみる。だから頑張って倒してくれ。
……この意味伝わったか。
「了解!」
もう十回以上壁外調査に出ている以上、俺も班長の時とは違って、数匹程度は巨人も倒したが…。
それでも15m級は無理。
うん。これ決定事項な。俺にあれを倒すほどの力はない。自分に過信はしない主義で。だから、……俺はぺトラにすべてをたくそう。大丈夫、お前なら出来るさ!お父さん信じてる!…いや、まぁまだ俺ピカピカの10代だけど。ほとんど実力はともなわないがな。
「来い、化け物!」
俺は叫びながら、巨人の前でアチラコチラと移動してみた。周りは平野でやりずらいが15mなんてデカイ図体しているんだ。それを利用しない手はない。ワイヤーの先を様々な所にかけながら相手を誘導する。
そして手を、足を、色々な部分をそぎとり、なるべく足止めをしようと努めた。その結果あって、巨人が前方に倒れる。
「はぁぁぁぁあああ!!」
ぺトラはその間に隙を見出したようで、剣でうなじを切り裂く。相変わらず、嫉妬したくなるほど優秀な部下である。妙に熱い血が出て俺の頬にかかり、真顔の巨人はやがて倒れた。
「はぁっ、はぁっ!や、やりました隊長!」
「あぁそうだな。良くやった。」
分隊長として最低限の社交辞令だけ済ませる。……無愛想すぎるか?まぁ、隊長なんてこんなもんだろう。仮にも隊長と言う立場から手柄があれば褒めるのが常識だが、そこに愛想なんてものは必要ない……と、思う。俺に上から無愛想に言われる彼女には、非情に申し訳ないが、まぁ許してくれ。
「さて、ぺトラ。戻るぞ。」
とりあえずここから移動して…
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