暁 〜小説投稿サイト〜
どっかの分隊長
いつ、人生を間違った?
[1/5]

[1] 最後 [2]次話
――――人が巨人に食われていく…………。

あの腐敗臭のする口の中で殺されるのは、さぞかし気持ち悪かろう。

――――人が巨人に食われて………。

食べられる人間、それを見ている人間。幸せなのはどちらだろうか。

――――人が巨人に………。

俺が判断を間違ったか。それとも、正解なんて無かったか。


―――人が………………。

あぁ、誰か。頼むから不甲斐ない俺に教えてくれ。
俺はいつ、



人生を間違った…………?





俺は昔、孤児だった。親は覚えていない。物心ついた頃にはゴミ山でゴミをあさって生きてきた。周りにも数人そうゆう奴がいたし、こうゆうもんなんだと思ってすごしていたと思う。そこに悲しさや悔しさは無かった。

そんな俺の平穏(?)が崩れたのはまだ齢一桁のころ。

調査兵団に誘われた。親がいない孤児なんて格好のえさだ。死んでも誰も気づかない、悲しまない…つまりはそうゆうことである。勿論選択の余地はあったのだが、それは脅されたも同然のモノだった。思い出すだけで腸が煮えくり返りそうだ。

最初は訓練兵として過ごし上位10位に入ったのだが、結局憲兵団には入れさせてもらえず、そうして流されるままに調査兵団へ。

始めの壁外調査は、もう恐怖で埋め尽くされ、何がなんだか分からないままがむしゃらに逃げ回った。俺が数匹倒したとか何とか書類に書いてあったが、多分どっかでミスがあったのだろう。

本当は、俺……一匹も倒してない。

だから、エルヴィン団長に「初陣のくせに、良くやってくれた。」と言われて、苦笑いしたのを覚えている。

二回目、三回目を重ねても巨人の恐怖には勝てず、逃げ回っていた。その癖、書類の討伐数がどんどん上がって、本気で意味不明だった。……書類作った奴、ミスしすぎだろ。
確かにあのカオスの中では色々大変なのだろうが、かといってあれはない。
何で一匹も倒してない奴が、14匹も駆逐した事になっているんだよ。どんなミスだよ。

そうしている内に何故か班長に昇格。確実にあの書類のせいだと思われる。しかし、団長にその事を言っても「謙遜するな。あれは確実にお前の成果だ。誇れ。」と言われた。………何ソレ、格好いい。こう言われたらもう何も言えまい。色々言いたい事を飲み込んで、俺は昇格を受けいれた。

………あの時は胃痛が酷かったのを覚えている。

こうして、ただの兵士から班長になった俺は、初めての数名の兵士を率いての壁外調査となった。

あぁ、正直荷が重い。重すぎる。俺がもし判断を間違ったら、人が死ぬ。そんな責任を背負えというのか。ちんけな俺には無理だ。不本意ながらだんだん人が死ぬのには慣れてきたが、背負うのとはまた違う。

それでも何とか頑張って15匹倒し
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ