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ゲルググSEED DESTINY
第五十話 戦場は宇宙へ
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失っていったものも数多くあるのだ。

「頭を冷やさないとな……」

手から流れる血が結果的に頭を冷やしたのかもしれないと考えながら一旦落ち付くことにする。どちらにしても、今更引けない。既に世界は進み始めている。それも確実に平和に向かって―――だから、たとえ自分にとって間違いなのだとしても、目を瞑って進むしかないのだ。今は、それしか出来ないのだから……







オーブでの戦いが終わり、色々と情勢が狂い、様々な人間が思惑を画策していたその頃、プラントの方角に向かい移動する廃棄コロニーが一つ、そして全く別方向に向かい動いていたもう一つの廃棄コロニーあった。前者は真ん中が空洞となり内部にビーム屈曲装置を取り付けたものが直接プラントの方角に向けて接近をしている。
後者は一方の方とは違い、構造が正面の穴以外完全に密閉されており、それ単体が照射を可能にしたまさにコロニーレーザーと呼ばれるものだった。そちらはかなり離れた位置に移動しているものの、宇宙に存在するプラントの施設の大半を狙える射角位置に移動していた。

「流石に壮観というべきなのかね?これだけの戦力を揃えてここまで入念な準備をしているなんてさ」

アルザッヘル基地で待機しているロゴスが母体であるファントムペインの部隊は、直接指示を行っていたジブリールが死んだことによってすることが無い状況となっていた。誰も自分たちから厄介な連中を引き受けたくないのだろう。殆ど宙ぶらりんな状態で放置されているのが現状だ。それに大いに不満を持っているのがアウルとエミリオであり、逆にこの状態を享受しているのはネオとダナであった。
そんな中でネオは映されているレクイエムの中継ステーションとコロニーレーザーの映像を眺めながら、感嘆を口にする。中継ステーションこそ自分たちで設置したものもあるが、やはり大部隊で護衛しながら動く様子は違う。自分たちが移動させていたのは発見させないようにする為に、推進剤を出来る限り使わず慣性で動かしていたことも原因の一つだろう。
そしてもう一方のコロニーレーザーなどは見るからに壮観というべきものだ。あれが単体で砲撃を放つ―――まるでザフトのジェネシスのようである。尤も、サイズがジェネシスよりも大きい分、射角の調整も難しいものだろうが。

「―――あんなものまで用意してるなんてな……この戦争、連合が勝って終わった先に人類の未来なんてものが残されてるのかね?」

小声でそう呟くネオ。あんな大量虐殺兵器があれば地上の人間だって脅せる。そして、人は武器を持つと使いたくなり、使い始めると際限がなくなるものだ。あれがプラントだけではなく、地上に残ったザフトやロゴスの最後の生き残りであるブルーノ・アズラエルにとって厄介な相手を狙わないとは限らない。

「そうなって地上に撃
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