第五十話 戦場は宇宙へ
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―先読みっていうわけじゃないが機体を先に認識した場所に置く様に移動してると、あっさりと敵を撃ち落としたりできる。どうせならそういった事に対応出来る機体の方が良い」
思った以上にマーレの方の機体の要求値が高い。普通に要求してきたスペックがデスティニーやレジェンドと同レベルだという事にマーレ自身は気付いているのだろうか?
「ま、そんな事もあろうかと、っていう風に用意するのが技術者の仕事なんだけど」
流石にそう都合よく用意は出来ていない。だが、プラントでなら、それを用意することは出来る。
「ならマーレ、一足先に宇宙に上がってプラントに行ってくれない?そこで君の機体を用意してるはずだから」
「ならば、この僕も行くぞ!僕に相応しい機体は僕自身が選ぶからこそ価値がある!」
「……こいつも連れていくのか?」
マーレが面倒そうに顔を顰めながらこちらに尋ねてくる。残念ながルドルフの愛機も失われているから彼自身の希望を邪魔立てすることは出来ない。なので一緒に連れて行ってやってくれ。そう言うと溜息をつきながら仕方ないとシャトルに乗る為の準備を整えるように行動する。
色々と忙しくなりそうだと、実質そういった意味では損したようにしか感じない―――そう思うような結果となったオーブ戦であった。
◇
「オーブに……キラが来ていたのか―――だとしたらカガリも?」
アスランは自室に戻ってからクラウやマーレが交戦したという未確認機の映像を見てそう呟く。形こそ違っているが、その原型はフリーダムであることに違いない。そしてシン達が戦った相手にはかつて自分が乗っていた愛機であろうジャスティスを改良したものまで存在していた。
「クッ、今更戻って何が出来るっていうんだッ!」
吐き捨てるようにそう言わざるえない。オーブを守るために動いていく。彼らの取った道はその為になら自らが汚名を被ろうとも国を守るために戦ったという事だ。アスランは彼らの行動に思わず声を荒げながら文句を言う。怒りが、葛藤が、悩みが、そして悲しみがあるのだ。
それは何に対してなのか?自分に対してか、キラ達に対してか、それとも両方―――分からない。アスランにはどの道が正しくて、どの道が間違っているのかもわからない。
割り切れとハイネは言った―――討てるのかとマーレは問いかけた―――己の信じる正しい道を歩んでくれと議長は信頼を預けた。
「クソッ!!」
鏡に写っていた自分を殴りつける。鏡は割れ、拳から血が流れるが痛みすらも気にならない。今の自分が間違っているとは思えない。だが、正しいとも感じられないのだ。
核を止めることは自分にとって正しい事だった。ロゴスを捕らえるという議長の考えだって正しいとも思える。しかし、一方で
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