第三十九話 少年期【22】
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」とか……、どうしようなんか嫌な予感がしてきた。
「あの、レティ先輩…」
「おぉ、後輩よ。なかなかいい策ができたので、さっそく試そうと思う。応援を頼むぞ!」
「えっと、はい。応援頑張ります」
ダメだ、今のレティ先輩には誰の言葉も届かない。後ろの2人はそんなレティ先輩の様子に平然としているから、さすがは友人さんだと感心する。すごく楽しそうに作戦考えるレティ先輩と、魔力をこーしてあーしてと即行で何か魔法を考える図書室の先輩さん、端末を見ながら超真面目な顔で子どもが見ちゃまずそうなサイトを分析して考える初等部代表さん。
……なんか、ごめんなさい。対戦相手や先輩たちと同じチームの方々と観客席に向けて、心の中で俺は謝罪した。
そして数刻後。
「おい、なんなんだ! あの3人組は!?」
「このままじゃ一方的に数を減らされかねないぞ!」
「クソッ、こうなったら俺が―――ッアーーー!」
「バインド。バインド。バインド」
「ちょっ、なんでこいつ素面でSMプレイみたいな縛り方してくるの!?」
「なんてやつだ。女、男、筋肉ムキムキだろうが関係なく、縛り上げるとは…」
「無駄に技術高すぎて怖いんだけど」
「アクセルシューター」
「ぐほぉッ、……うおぉぉおおおぉぉおぉ!?」
「な、なんだ!? 縛られた奴らがあの女の子の魔法を顔に浴びると、悶絶して動かなくなるんだが!」
「ま、まさか毒でも含まれているのか!?」
「……ちょっと納得いかないわ。いつも私が飲んでいる飲み物と同じ味の水を変換して作り出しているだけなのに」
「これで10人撃破か。クライド、10時の方向よりマッチョが接近。縛って転がしておけ! リンディ、そこが終わったらクライドの補佐に回って相手を砂糖まみれにするのよ!」
精密な魔力操作とコントロールを遺憾なく発揮し、得た知識を即座に実践レベルへと引き上げる少年。彼は遠慮容赦なく、己の学校の勝利のためだけを目指し、黙々と全年齢対象から外れそうな効率の良い有効打を撃ち続けていった。
背中にフェアリーの様な羽を広げ、美しき姿で戦場を駆け抜ける少女。彼女の手から放出される魔力弾はすべて目標に向かって命中する。さらに仲間が動きやすくなるように、遠距離から相手を牽制し、隙あらば射撃の嵐を降らせてみせた。糖分含みの。
戦場の状態を瞬時に見極め、ポイントの取り方を指示する少女は、口元に笑みを浮かべながら号令を出していく。その悠然と佇む姿は隙だらけのように見えるが、彼女には1発も被弾はない。己を狙う獲物をサーチで素早く察知し、牙を差し向ける。自分の前衛にいる2人を何よりも信じ、阿鼻叫喚を作り出すために更なる前進を進めた。
「…………いや、うん。これはひどい」
結界が張られている
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