第三十九話 少年期【22】
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「ねぇ、あなたクイントと一緒に走っていた人だよね。さっきまで2人でなにを話していたのー?」
「え、あぁ。サマーソルトを実現させるための練習方法を一緒に考えていたんだけど、なかなか難しくて大変だよなって話をしていたけど」
「えっ……そ、そうなんだ」
「メガーヌ、この2人にその手の会話は無理だと思うよ。クイントも常識人寄りだけど、微妙にズレているから」
真実を話したら、紫の子とメェーちゃんに頭を抱えられた。よくわからないが、俺はなんかおかしなことでも言っただろうか? あと言っているメェーちゃんも、色々普通から外れていると俺は思うんだけどな。口には出さないが。
クイントとは水切りの話の後に、他に何か技はないか、と聞かれたので俺が見てみたい技について話をしていた。その後ゲームの技や漫画の技の話になって、意外にも盛り上がってしまった。動きとか実践で使えそうかとか見栄えとか。クイントなら本当に実現できそうだな。
そんな風におしゃべりをしていたら、俺がいることに気づいたのか妹と目が合った。そういえば、もともと妹の様子を聞くために会話をしていたんだっけ。アリシアは口元に手を当てながら悩むポーズを外し、俺に向かって慌てたように話を切り出した。
「お、お兄ちゃん、どうしよう! メェーちゃんが2人になっちゃったの!」
「な、なんだとッ!? メェーちゃん、いつの間に影分身とか分裂とか魔球とか虎咬真拳とか使えるようになったんだ!? 教えてくれッ!」
「使えないよ!? アルヴィンは技関係からいい加減離れてよ!」
「……なにこのカオス」
おっしゃる通りだった。
「あー、なんだ。つまりアリシアは、メリニスもメガーヌも頭文字が「メ」だからあだ名に困っていたわけね」
妹は同じ年相手には、いつも彼女がつけていたあだ名で呼んでいたのを思い出す。年上の人には俺がつけたあだ名のまま呼ぶことも多いけど。でも基本、男は君付けで、女はちゃん付けだ。そして相手の名前の頭を捩った感じがほとんどであった。
少年Bことティオールならティオ君。少女Dことクイントならクーちゃん。今までたまたま同じ頭文字同士がいなかったからその方法でも困らなかったが、ここにきてついに被ってしまったらしい。なるほどな、それにしても2人してメェーちゃんね…。
「なら2人そろったことだし、『メリーズ』にでも進化させたらよくね」
ごめんなさい、真面目に考えます。だから俺の頬を2人で引っ張るのはやめてください。柔らかいし、通気性抜群な名前なのにお気に召さなかったらしい。
「じゃあ、『メェーヌちゃん』でどうだ!」
「あっ、かわいいかも!」
「もう、それでいいよ…」
3、4度目の名づけ挑戦でようやくOKサインをいただけました。俺は妹と一緒に
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