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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
六十七話:パパスの手紙
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れないけれど。
 男であれば、こちらから望むまでも無く託されたはずのことを。
 私が、女だから。
 こちらから望んでも、受け入れてもらえないんだ。

 私は、なんで、女なんだろう。
 本当に、男だったら、良かったのに。
 自分が、女であることが。
 本当に、悔しい。

 唇を噛み締めて黙り込む私を気遣うように、ヘンリーが声をかけてきます。

「ドーラ。……なんて、書いてあったんだ?」

 言いたくない。

「……見せてくれ」

 見せたくも、無い。

「頼む」

 頼まれても、本当は嫌だけど。

 だけど、何の説明もしないで、気まずいまま残りの時間を過ごすのも、嫌だ。
 結婚相手としては考えてなくても、十年一緒にいた、戦友なんだから。

 こんなことを感情を交えずに口で説明するのは無理なので、黙って手紙を差し出します。

 同じく黙って手紙を受け取り、読み終えたヘンリーが顔を上げ、口を開きます。

「……違うんだな。ゲームと」
「うん。違うね。私が、女だからだね」
「……どうするんだ?」
「続けるよ、もちろん。旅を続けて、パパスとマーサを、助ける」

 最初から、そう決めてたんだから。
 何があっても、そこは変わらない。
 そのために、ずっと頑張ってきたんだから。

「そうか。……わかった」

 たぶん、着いてきて助けてくれる決意を固め直してるんだろうけど。
 でもやっぱり、私はヘンリーを置いていく。
 それもずっと、決めてたことだから。


 決意も新たに天空の剣に手を伸ばし、持ち上げます。

 ただ持ち上げるだけなら、特に抵抗は無いようだけど。
 やっぱり、装備はできないんだろうか。

 と思って構えてみようとすると、やっぱり重くて、まともに構えは取れなくて。
 あまりの重さに、剣を取り落とします。

「こんなところはゲームの通り、か」

 もしもゲームと違って、私が伝説の勇者だったら。
 大手を振って、助けに行けたのに。
 男を女にするなんてどうでもいいイレギュラーを入れるくらいなら、そのくらいの融通を利かせてくれてもいいのに。

 ヘンリーが天空の剣を拾い、同じく構えようとします。

「……くっ……」

 プルプルしてる。
 めっちゃ、プルプルしてる。

 ……でも、取り落とさない!

 なにさ!なんでさ!
 こんなところでも、男女差別!?
 たぶんまだ、私のほうが(ちから)ステも高いよね!?
 これは、差別だ!
 訴訟も、辞さない!!

 まさかコイツが伝説の勇者とか言わないでしょうね、そしたら最後まで連れてかないといけないじゃん、最悪じゃん!!

「……はー。無理か、やっぱ」

 とか思
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