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占術師速水丈太郎 白衣の悪魔
4部分:第四章
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は!?」
「悪いけれど私が頂くわ、いいわね」
「いいも悪いも」
 速水はその言葉を聞いて苦笑いを以って後ろを見た。するとそこには黒い髪を上で束ねた切れ長の奥二重のブラックルビーを思わせる瞳を持つ白面の美女がいた。黒いスーツとズボンとコート、白いシャツに赤いネクタイを身に纏っている。彼女が誰か、速水はよくわかっていた。
「貴女も来られていたのですか」
「仕事でね」
 その白い整った顔に妖艶な笑みを浮かべて美女は答えた。
「ここにいる人達を何とかして欲しいって言われてね」
「残念ですがそれは」
「そうね。先にこうなってしまっては」
「あの」
 警部はその美女を見て速水に問う。
「あの方は一体どなたですか?お知り合いのようですが」
「お知り合いも何も」
 速水はうすらと笑って警部の言葉に応える。それからまた述べる。
「私の恋人です」
「それは嘘ね」
 当の美女からすぐにそれを否定する言葉をかけてきた。速水はその言葉を聞いて苦笑いを浮かべた。
「私はそんなつもりはないから」
「全く。困ったものです」
 その言葉にまた笑って返す。
「少しは素直になって頂かないと。私が焦れてしまいますよ」
「あら、私は平気よ」
 美女はうっすらと笑って答えてきた。
「私は花という花を無尽蔵に倒していくから」
「やれやれ。それは相変わらずですね」
「この街でもね。そうするつもりだけれど」
 不機嫌そうに悪霊と化した元木を見て言う。
「その前に一仕事しておかなければいけないわね」
「どうされるおつもりですか」
「生憎。遊んでいるつもりはないのよ」
 そう言うと両手に青い氷の刃を出してきた。それを元木に向かって投げる。


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