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第六十一話 目指すべき場所は――
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、そうだな。こうしちゃいられない。リーファ、領主階段の場所ってのはどの辺りなんだ?」

「ええと、蝶の谷っていう山脈の内側の出口で行われるらしいから・・・あっちにしばらくとんだとこだと思う」

「了解。残り時間は?」

「会談が一時からだから・・・二十分って所!」

「急いだ方がいいかもな・・・」

「そうだな・・・ユイ、サーチ圏内に大人数の反応があったら知らせてくれ」

「はい!」



「それにしても、モンスターを見かけないなあ?ソレイユ、何か知ってる?」

「知らん」

「あ、このアルン高原にはフィールド型モンスターはいないの。だから階段をわざわざこっち側でするんじゃないかな」

リーファの有難い解説にソレイユは納得し、キリトは納得すると同時に少し悔しがっていた。そこで、ユイが叫んだ。

「プレイヤー反応です!前方に大集団――六十八人、これがサラマンダーの強襲部隊です。さらにその向こう側に十四人、シルフ及びケットシーの会議出席者だと予想します。双方が衝突するまであと五十秒です」

その言葉が終わるのと同時にソレイユたちの視界にもその光景が何とか目視できた。五人一組でくさび型のフォーメーションを組み、密集して飛行している。その集団が向かう先には長いテーブルと左右七人ずつ座れる椅子が据えられていた。会議をしていると思われるシルフ、ケットシーの領主族の首脳陣はサラマンダーの軍勢に気付く様子はなかった。

「――間に合わなかったね・・・ありがとう、キリト君、ソレイユ君。ここまででいいよ。キミ達は世界樹に行って・・・短い間だったけど、楽しかったよ」

そう言ってダイブしようと翅を鋭角に畳んだ時、キリトの右腕がリーファの手を握った。慌ててリーファがキリトの顔を見ると、不敵な笑みを浮かべていた。

「ここで逃げ出すのは性分じゃないんでね」

そう言って、ユイを胸ポケットに入れると羽を思いっきり震わせて猛烈な加速を開始した。それを見ていたソレイユはやれやれと言ったような表情をしていた。

「んじゃ、俺たちも行こうぜ」

「ちょ・・・・・・ちょっとぉ!!なによそれ!!」

少しばかり感傷的になっていたリーファが色々と台無しにされて思わず抗議のために叫んでしまったが、悲しいかなそれを気にする者などいなかった。
そして、目指す先ではようやくサラマンダーの大集団の接近に気が付いたシルフとケットシーだが、時はすでに遅かった。空中に包囲網を展開するサラマンダー集団。陣営が展開し終えると、先頭にいた一人がさっと手を上げ――振り下そうとしたその瞬間、クロ隕石と化したキリトが両陣営の間に割って入り、馬鹿でかい声で叫んだ。

「双方、剣を引け!!」

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