フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第六十一話 目指すべき場所は――
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は絶対しない」
「キリト君・・・」
キリトの言葉にリーファが感動していると、キリトはソレイユに向かって口を開いた。
「ソレイユはどうなんだ。ここでリーファを斬るっていうんなら俺も相手になるぜ」
身構えるキリトにソレイユは溜息を聞かぶりを横に振った後、口を開いた。そこには多分な呆れが含まれていた。
「いや、おれの目的はもともと領主なんだけど・・・」
「は?」
「え?」
ソレイユの言葉に驚くキリトとリーファ。そんなことお構いなしにソレイユは言葉を続けていく。
「昨日、お前らがログアウトした後領主館を訪ねたらいないって言われたんだよ。できるだけ早く次に行きたかったからお前らと一緒にシルフ領出て来たんだ。あとでまた行こうかなとか考えながらな。でも、シルフとケットシーが同盟を組むとなると領主の調印が必要になるだろ。ならそこに行けば俺の目的は無事に達成できるという訳だ。反対する理由はないな」
「じゃ、じゃあ、これからその調印式に向かうってことでいいのか?」
「ああ」
それを聞いたキリトは肩に乗った小妖精のユイに向かって言った。
「それじゃあ、ユイ、走るからナビよろしくな」
「りょーかいです!」
「ちょっと手を拝借」
「え、あの――」
そう言って未だに状況が呑み込めていないリーファの手を掴むキリト。その後、ソレイユに目配らせをする。それを受け取ったソレイユははいはいと言いながら地面を蹴った。数瞬遅れてキリトも地面を蹴る。
「わぁ―――――――っ」
結構な速度で走っているキリトに掴まれているリーファは悲鳴を上げた。本来ならここに登場するMobはそれなりにレベルがあるはずなのだが、先頭を走るソレイユが全部斬り裂きながら走っているためトレインという非マナー行為は避けられている。だが、今のリーファにそんなことを気に掛ける余裕はなかった。
「出口が見えたぞ」
ソレイユの言葉がリーファの耳に届いた直後、視界のすべてが白で埋め尽くされ、次いで足元から地面の感覚がなくなった。
「ひえぇぇぇぇっ!?」
だが、そこはそこそこ古参であるプレイヤー。即座に翅を使い体制を整えた。体制を整えられたことに案著した後、改めて状況を把握するとキリトとソレイユを睨みつけた。
「――寿命が縮んだわよ」
「どれくらい?」
「え、えっと・・・」
ソレイユのふざけた疑問に返答ができないリーファ。先ほど睨めつけていた覇気もうはどこにも見られない。そして、キリトは雲海の彼方に見える朧げな巨大な影を見据えていた。
「あれが・・・世界樹か・・・」
畏怖の念のこもった声音で呟いた。
「そんなことしてる時間、ないと思うんだけど?」
「・・・ああ
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