第百五十八話 ヴァンフリート星域会戦 その7
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、赤ん坊よりタチが悪い!”
そのイライラを助長させる存在近くにいるノルデン少将でノホホンとしながら的外れな言動ばかりである。
「中々敵も天晴れな反撃だな」
「うむ、此処は反転が必要なのでは?」
更に五月蠅くレーテル中将にあれこれ意見する為に叫んでいるフレーゲル男爵達。
「何をしているのだ、あの攻撃は!中将もっと突撃せんか!」
「えええい!何だあの陣形は美しくないではないか!」
この連中のせいで、ラインハルトの怒りのバロメーターはMax状態になっていたが、姉上の為に爆発するわけにも行かずに、ストレスが溜まり続けていた。
■自由惑星同盟 第六艦隊 旗艦ペルガモン
ビュコックがエッシェンバッハ率いる三個艦隊三万九千隻を一個艦隊一万三千隻であしらい、ボロディンがレーテル艦隊一万二千隻を減ったとはいえ同数の一万二千隻で有利に戦闘する中、最後尾に位置する第六艦隊ではムーア中将が攻撃しようにもできない状態に苛つきながら、参謀達に当たり散らし、どうにか攻撃できないかと考えさせていた。
「どうだ、何とか成らんのか!」
「ヴァンフリート4=2宙域は狭くて、前に出る事は不可能です」
「それを何とかするのが参謀だろうが、この役立たずが!」
しかし、考えが纏まる前に第六艦隊は突然の攻撃に見舞われた。
オペレーターの声が艦橋に響いた。
「六時の方向に艦影」
「六時だと、ロボス閣下がいらっしゃったのか?」
悲鳴のようなオペレーターの声が艦橋に響いた。
「艦隊撃ってきました!」
「馬鹿な、此方は味方だ、撃つなと言ってやれ!」
「違います!艦型確認ワレンシュタインクラス、敵艦隊です!」
オペレーターの報告に“馬鹿を言うな”と怒鳴るムーア中将だが、後方の艦隊は次ぎ次ぎに攻撃を加えて来る。あっという間に、三千隻ほどが爆沈し其処でやっと敵だと判ったムーアは敵前回頭を命令した。
「全艦、180°回頭!敵艦隊に艦首を向けよ!」
参謀の一人が止めるがそれを無視しする。
「提督、回頭などしたらそれこそ袋だたきです。此処は無茶を承知で全速でアステロイドベルトへ突入し敵の勢いを削ぐ事が肝要です」
「五月蠅い、俺は卑怯者には成らん!」
「提督!」
「此奴を連れて行け!」
未だ意見する参謀を他の参謀に命じて艦橋から追い出したムーアの命令通りに第六艦隊は敵前回頭するが、その側面に次々に攻撃が集中していく。僅かな時間で、第六艦隊は七千隻を超す喪失をだす。
「戦艦ホースロー撃沈、戦艦ナルサス通信途絶、第三分艦隊旗艦アルスラーン撃沈、エステル少将戦死……」
ひっきりなしに入る損害情報に流石にムーアも驚き狼狽え顔が青くなり始める。
そんな中、オペレーターが悲痛な叫びを上げた。
「直撃来ます!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ