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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百五十八話 ヴァンフリート星域会戦 その7
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部隊はそのまま捨て置くようですな」
「こちらが攻撃し辛いとわかっておるのだろう」

「そうですな、あの近距離では艦載砲は後方基地ごと吹き飛ばしてしまいますから」
「その為に、敵は態々4=2から引いている訳だな」
「弱りましたな」

「そろそろボロディンが何とかしてくれるはずだて」
「総司令部に救援要請だされないのですか?」
「少将、儂は士官学校を出ておらんで、総司令部のエリートさん達には受けが良くなくてな。その点、ボロディンなら儂の言いたい事を判ってくれるからの」
「なるほど」

エッシェンバッハの命令で、ノラリクラリと同盟軍第五艦隊と戦闘を続ける中、遂に両軍が待ちわびた同盟軍の増援が現れた。

第十二艦隊到着の報がもたらされると、ビュコックは苦笑しながら自分の耳朶を摘んで呟いた。
「やれやれ、ようやくボロディンが来てくれたか、だが、彼には迷惑なことじゃろうて」

ビュコックの連絡で到着した第十二艦隊司令官ボロディン中将は、あまりの混雑にあきれ顔で呟いた。
「艦隊戦を行うにはヴァンフリート4=2宙域は狭すぎる」
それでもボロディンは艦隊を何とか広げ戦闘可能な状態まで艦形を直したところで、第十二艦隊を押し出す形で、第六艦隊が進撃してきた為、ボロディンの苦労も水の泡と成ってしまった。

同盟艦隊の押し合いへし合いを確認したエッシェンバッハ元帥は不敵な笑みを浮かべて、畏怖堂々と命令を下した。
「全艦、総攻撃用意、レーテル艦隊、ケスラー艦隊突入せよ!」
グライフス大将が復唱し、艦橋中に響く。
待ちに待った命令にオペレーターも嬉々として命令を伝達する。



アステロイドベルトでは、命令が伝わると、レーテル中将がノロノロと命令を出し、銀河基準面から見て第十二艦隊の側面下方から攻撃を行い始める。突然の襲撃に混乱中の第十二艦隊に次々と爆炎が上がり一瞬で千隻近くが撃沈された。

第十二艦隊旗艦ペルーンでは攻撃を食らった瞬間直ぐさまボロディン中将が命令を出していた。
「不味いぞ、これは、しかし未だ未だ。先方は第五艦隊に任せ、本艦隊は90°回頭し側方から攻撃して来る敵艦隊に攻撃を集中し敵艦隊の楔の先端を挫け!」

奇襲を喰らいながらも名将ボロディンは直ぐさま押し合いへし合いの中艦隊を回頭させ、お世辞にも鋭い攻撃と言えないレーテル艦隊の攻撃を挫こうとする。

元々帝国軍でもお荷物扱いで練度も低く、貴族の指揮官が多いレーテル艦隊であるから、レーテル提督の命令も聞かずに、各貴族の勝手な命令で攻撃はてんでバラバラで集中した攻撃が全くできないで居る。そんな体たらくをラインハルトはイライラしながら見ていたが、腹の中では罵声を浴びせていた。

“阿呆共、俺に指揮権を渡せば、十分で敵を粉砕して見せるものを!何だこの攻撃は
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