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みなかたパッチン
みなかたパッチン
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。抱き合って
  キスしてるよ」
水元「楫にかよ」
光春「あいつが建設水道部長だったころ、俺 
は慈円の闇に放り出されて壊れたんだ」
彼方「闇って」
光春「それ」
光春は串団子を口にいれる彼方の口元を
指差した。
足音が聞こえ。厨房奥から麻奈が現れる。
水元「目腫らしてでてくんなよ。冷やせ、冷 
  やせ」
製氷機から手づかみで掴んだ氷を麻奈に 
渡す水元。
  それを目元に当てる麻奈。
麻奈「わたしの団子」

○牧草地の見える路肩(朝)
草刈機で草を刈る水元と彼に罵声をとば
す坂田の様子。
N水元「一年中寒い慈円は六月に桜が咲く。
それを合図に木々、草花が一斉に成長す
る。そのころからみなかたパッチンはも
うひとつの仕事・道路脇の草刈が行われ
る」
坂田「腰いれて腰振ってリズムよく」
水元「はい」
草刈機の音が止まる。
坂田「チッ。またからませやがったな。この
やろ。アクセル入れるタイミング悪いか 
らこうなるんだぞ」
険しい表情で機械に絡まった草をとる水
元。
坂田「聞いてんのコンちゃん」
水元「さーせん。聞いてなかったす」

○南方舗道・事務所(夕)
応接イスに深く腰をかける菜波グループ
CEO・菜波智仁(49)。
テレビ画面。
脱線事故のニュース。
男性アナウンサー「午後から行われた会見で
酒井代表取締役はレール幅の点検見直し
を再度徹底したい。深く深く反省してい
ると述べました」
事務員A子「社長。どうぞ」
お茶を差し出すなつみ。
菜波「ナミちゃん。シーイーオー」
なつみ「すいません社長」
  事務所入り口戸が開き、南方が現れる。
南方「シャーイーオー。お待たせしました」
菜波「やっぱ。社長に戻そうかな」
× × ×
応接イス。
菜波と南方。
南方「今日も脱線事故ありましたね」
菜波「深く深く反省してるんだってよ」
南方「深くの回数で誠意をあらわしたところ
 で私達は許しませんよって感じですよね」
菜波「やつら反省してないよ。かたちだけ。
インフラ権力は何やっても結局は許され
んのよ。なくてはならないオンリーワン
だから」
南方「はあ」
菜波「パッチングの図面。ナミに渡しておい
  たから。じゃあ帰るわ。よろしくね」
南方「わざわざ、ありがとうございました」
  南方が立ち上がり、深く頭を下げた。
  入り口戸が開き、水元たちが入ってくる。
菜波「おつかれさん。おつかれさん」
菜波は汚れたかっこの水元たちに触れな
いよう距離をとって事務所を出た。
相原「何年たってもいけすかないやつだな」
坂田「社長。またパッチンですか。新築道路
とは言わないからオーバレーぐらいとっ
てきてくださいよ。入札でこうやって
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