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みなかたパッチン
みなかたパッチン
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すすりなが
ら串団子をつまむ彼方。
  厨房で洗い物をする水元。
彼方「みたらしとこぶ茶の苦味が合うね」 
  店の外から言い合いをする男女の声。
彼方「うるせえな」
ちきんはーつ外の商店街アーケード通路
で傘で突き合う慈円高校の制服を着た少
  年少女。
  入り口のガラス戸越しにそれを見る彼方。
彼方「ゆう。外で円高生がフェンシングの試
  合やってるぞ」
ちらっと外を見て、グラスに息を吹きか
け、ふきんで磨く水元。
水元「全身が攻撃対象か。エペだね」
彼方「審判やりにいこう」
水元「アイス昆布茶のネーミング決まったの
  か」
彼方「まだ」
水元「コンブライアンスでいいんじゃね」
彼方「どういう意味?」
厨房・冷蔵庫の扉にマグネットでとめた
裏紙群から一枚を抜き、筆ペンで字を書
  きそれを彼方に見せる水元。
彼方「昆布遵守。いいね。漢字は幹部のじい
さまたちが好きなんだわ。でもこれじゃ  
ないな。20代女子が手にとるようなや
つプリーズ」
水元「その前に若い子はどぶろく手に取らん
  よ。客層を明確にしなさい」
光春「海のやすらぎはどうかな?」
  彼方の後ろに光春が立つ。
  目が点になる水元。
  後ろを振り向く彼方。
彼方「びっくりした」
光春「ごめん」
水元「まあ座れよ」
  × × ×
カウンター席に腰掛ける三人。
水元と彼方が談笑し、それをよそに光春 
がパソコンに向かう様子。
N水元「中三の時から四年間、慈円にいたピ 
カは暗い奴だが空手の黒帯で学業成優秀。
完璧な奴だった。高校卒業後に札幌の大
学に進学してからなぜか慈円役場に入っ
た」
彼方「で。なんで役場やめたの?」
水元「ストレート過ぎるでしょ。まずいよ。
  このお茶ぐらいまずいよ」
  とそのどぶろくを顔の前に持ち上げる。
彼方「お前の方が球速早いよ」

○(回想)慈円高校・教室
  T・11年前
  休み時間。
  じゃれ合う生徒たち。
ラジカセからはモンゴル800矛盾の上
に咲く花が流れている。
  勉強に励む光春。
  光春の肩を後ろからポンと叩く水元。
水元「ピカ。勉強楽しいか?」
光春「勉強は楽しんでやるもんじゃない。将
  来の自分への投資をしてるだけ。それだ
  けだよ」
水元「そうか。じゃあ将来、慈円町長になれ
  よ」
光春「メリットがあればね」
水元「愛人たくさんつくれるぞ。まあそれぐ
らいかな。俺、バカだけど話聞くのだけ  
はうまいって言われるから、なんかあっ
たら話聞くよ」
光春「今のところはないよ」

○ちきんはーつ・カウンター席(夜)
光春「潰されたんだ。今の町長に」
彼方「試合終わったみたいだな
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