暁 〜小説投稿サイト〜
みなかたパッチン
みなかたパッチン
[3/23]

[1] [9] 最後 最初
てよ」
水元「そんなにうまくいくかな? 人生って」
彼方「つうかさ。あいつ親、転勤族なのにな
  んで慈円にいんのよ?」
  カウンター席のうしろを通る光春。
光春「おあいそ」
麻奈「はいよ」
  うしろを振り向く水元、木戸、彼方。
レジ台に置いてあるカルトンに代金をさ
っと出し、ちきんはーつを去る光春。
水元「疾きこと風の如くだな」

○南方舗道・事務所(朝)
  花咲ガニ、二匹が入ってる水槽。
  社長・南方仁(46)の朝礼が聞こえる。
一方のかにがはさみでちょっかいをだし、 
けんかがはじまる水槽。
  眠そうに朝礼を聞く水元たち。
ばれない様にスマートフォンを動かす事
務員・波賀なつみ(24)。
水元のM「おれは東京でスタントマンをやっ
ていた。並のスタントマンでも全国の交
通安全教室行脚などでそこそ食える。し
かし、大きな仕事が入らないことや同志
たちが怪我をしてやめていったり撮影の
不慮の事故によって仲間が亡くなってし
またことが理由でその世界から足を洗っ
た。そして、この会社南方舗道・通称み
なかたパッチンに入った。パッチンとは
道路舗装を補修するパッチング工事のこ
とを指す。街の人は穴埋めしかできない
この会社を皮肉ってそう呼ぶ」
けんかがおわりハアハアと疲れたようす
のカニ達。
朝礼が終わり、従業員四人は事務所を出
る。
  彼らを見送る。南方となつみ。

○海沿いの車どおりの少ない町道(朝)
  舗装補修工事を行う水元達。
アスファルト合材をコンプレッサーと言
う機械を使って成型しなが固めていく水
  元。
それを前から腕組みして見下ろす坂田と
郡司。
  水元の後ろから心配そうに見守る相原。
坂田「おい。そんなによろけたら、固まんね
  ーぞ。もっと腰いれろ」
郡司「だめにしたら買取だぞ。1トン160
  00円で今使ってんのが100キロぐら
いだから1600円。二時間ただ働きか。
大変だね」
相原「もっと下に下に体重かける感じで」
水元「はい」
相原「そう。そう。いいぞ」
  × × ×
コンプレッサーをトラックの荷台に上げ
る水元と相原。
水元の作業した場所をチェックする坂田
と郡司。
水元の作業用つなぎには作業中に付着し
た合材と砂利をくっけるための乳剤が日
  光に反射する。
郡司「買取なしかおもしろくないな」
坂田「水元。お前汚いから荷台のれ」
水元「えっ」

○トラック・荷台(朝)
  走行するトラック。
水元は前方をコンプレッサー、右側面を
数本のスコップ、左側面に数本の竹箒、
後方をトラック荷台フロントパネルで自
分の体を隠している。
  パトカーのサイレンが鳴る。
警察官A
[1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ