みなかたパッチン
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な看板。
50メートル先、〈不思議の国の武玲亜〉
という大きな看板。
看板と看板の中央には〈町境〉と書かれ
た標識が立つ。
慌しく動く作業員の様子。
N水元「うちの社長は菜波の助言により、5
00平方メートル切削オーバレイ工法に
よる町道舗装工事を落札。郡司さんは工
事前日、一睡もできなかったそうだ。工
事は午前に舗装切削機で表層約5センチ
を切削した。そして今からフィニッシャ
ーという機械で合材を流し込む」
乳剤が散布された切削箇所。
ダンプトラックの荷台が傾きフィニッシ
ャーに合材流し込まれる。
機械から出る轟音。
フィニッシャーが通過したあと、擦り付
け部の調整をする水元たち。
転圧を行う大型ローラー。
(舞台の場合はプロジェクターで機械や
現場を映し出す)
× × ×
T・三時間後
500平方メートの新しい舗装。
路肩で座り込み小休止する水元たち
坂田「あと、かたして終わりか」
水元「やりがいありますね。オーバレイ」
相原「うんだ」
眼をパチパチさせる郡司。
郡司「眠い」
武玲亜側から人が走ってくる。
武玲亜の人「南方舗道の人いる?」
坂田「はい。あんた誰」
武玲亜の人「私役場の土木の人間だけど。お
宅のトラックの後輪うちの街に入ってん
だわ前に出してくれない」
坂田「三角帽子やら積んで帰るだけだから。
せかさないでよ」
武玲亜の人「そうなの。今度から気をつけて
よ。決まりなんだから」
坂田「はいはい。だったらダッシュであなた
も出なさい」
武玲亜の人「そんなこと言わなくてもいっし
ょ。教えてあげたんだから」
水元「決まりなんで。ダッシュで帰ってもら
えます」
坂田「ナイス。コンプラアンイス促進」
武玲亜の人「慈円の人は心がしゃっこいね」
武玲亜の人が走って慈円を超えて武玲亜
に入る。
郡司「あいつ。ほんとにはんかくさい。後輪
入ってますよだなんて初めて聞きました
よ。腹立つわ。町境の標識引っこ抜いて
武玲亜の役場にぶっさしてこようかな」
相原「やめとけお前のうちに大量のアイスも
ずく茶送られるぞ」
郡司「それはいやだ。あのお茶やばいです。
化学兵器に指定されたらしいですから」
郡司の眼がパッチリと開いた。
坂田「バカかお前は。そうだ。今日はみんな
でコンのとこいくか?」
郡司「坂田さんのおごり?」
坂田「なんでお前らに奢るんだよ。こないだ
ケツ割ったやつの旅行の積み立てが宙ぶ
らりんらしいからそれ使うべ」
郡司「さすがっすね」
坂田「まあね」
作業着の胸ポケットからカメラを取り出
す坂田。
坂田「コンちゃん。ボード持ってそこに立て」
坂田は新しい舗装の方を指
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