みなかたパッチン
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ってる。源が説明しろ
よ」
彼方「いいけど。何で怒ってんの?」
木戸「この写真の写真だよ。黒縁だしよ」
足元においてある手提げカバンに手をつ
っこむ彼方。
彼方「紫だよ」
あの額を木戸に向ける彼方。
木戸「写真白黒になること配慮しろよ。後輩
にバカにされたっしょ」
カランコロンと
入り口のガラス戸が開く。
慈円町長・楫護(49)が立っていた。
楫 「やあ、お手柄だね」
水元「ちわ」
楫が店内を見渡しながらカウンター席に
近づいてくる。
楫 「今回の件はほんとうに誇りに思うし、
君達の正義感には感服するよ」
水元「あざす」
楫 「さっそくやってるね」
楫は目線をテレビに向ける。
テレビ画面。
北海道ローカルの情報番組。
中国人実習生の牡蠣強奪事件の特集の様子。
水元のM「俺らのことはまったっく扱ってな
かった。こいつらは極悪非道な中国人の
姿を全道にさらしたいだけである。熊の
人を襲ったニュースみたいな取り上げ方
だ。普段はかわいいああかわいいって言
って、北海道の象徴にしてるくせに人間
様にかすり傷一つつけようもんなら恐怖
を連想させるBGMで凶悪なイメージを
視聴者に刷り込む。これが偏りのない報
道なのかい。自分がこういう立場にいた
ら絶対に耐えられない。彼らはこれから
強制送還で国に戻されブロカーと言われ
る人物に違約金を返す人生が始まる。日
本人で良かったと一瞬思った自分を殺し
たい」
男性キャスター「この人たちは確信犯ですよ。
流通先まで確保して犯行をしているんだ
から。漁師さんが手塩にかけて育てた牡
蠣をなんだと思っているんだ」
水元「バカがほざくな」
と呟く。
イス席に腰掛ける楫。
楫 「困ったもんだな。水元君ならどういう
対策をとる?」
水元「呼ばないという対策を取ります」
下唇を強く噛む水元。
歯型が残り、うすらっと出血する下唇。
楫 「そうだね。火種がないと煙もあがらん
からね。でもそれは無理だな。大人の事
情があるから。あれ、光春君は」
彼方「仕事です。役所が終わる5時半から活
動するって決めてるんですよ」
楫 「あまりいいことじゃないけど。彼のポ
リシーだからそれは尊重しないとね」
彼方「だれかさんへの当てつけって言ってま
した」
楫 「ほう」
鋭い目つきになる楫。
○某不登校児童の自宅(夕)
児童の部屋。
勉強机に向かう児童を見守る光春。
児童「ミッツさん。新聞のってたね。遺影持
って」
光春「あれ遺影じゃないよ。これなかったメ
ンバー」
児童「ああそうなんだ。そろそろ集合写真の
季節だな。貼り付けは嫌だから学校行こ
うかな」
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