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みなかたパッチン
みなかたパッチン
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人。

○港・岸壁(夜)
真っ暗な海を見つめる四人。
水元「ありがとな」
木戸「ああ。おれ、展望台から見てたんだぞ。
気づかなかった?」
とちらっと後ろを向き斜め上を見る。
丸太の柵で囲まれた展望台。
彼方「うそお」
木戸「ほんとだよ。じゃおれ戻るわ見回りし 
てることになってるから」
三人のもとを離れる木戸。

○慈円警察署・署長室(朝)
  T・月曜の朝
  パイプイスに座る水元、彼方、光春。
  記者から質問を受ける。
記者A「めあり新聞の喜多見です。お手柄で
すね。どういう想いで凶悪犯に立ち向か
ったのですか。彼方さん」
  ギラギラとした眼の彼方。
彼方「漁師として海を汚すものは許さない。 
  ただそれだけです」
記者A「ありがとうございました」
記者B「慈円新聞の波岡です。光春さんは教 
育委員会の嘱託職員をなさってますがそ 
の観点でこの事件を振り返って頂けます 
か?」
光春「うん。今回は慈円高校の生徒が疑われ
ていたので真意を確かめたかった。その
思いで仲間と共に動きました」
記者B「ありがとうございました。では写真
お願いします」
署長室のドアが開き、カメラをぶら下げ 
た記者Cが入って来た。
水元「29歳土木アルバイトには興味がない
か」
とぼそっと呟く。
彼方がパイプイスに立てかけた手提げカ 
バンに手を入れる。
彼方「ピカはこれ。ゆうはこれ。おれはこれ」
真ん中の水元は〈WEAREみなかたパ 
ッチン〉と書いたA4用紙、右側の光春
は紫色の額に入った木戸の写真、彼方は
どぶろくを持ち立ち上がった。
記者Cが二人の記者の間に割り込む。
記者C「北海道新聞の足利です。写真の前に
二、三質問させてください。それはチー
ム名?」
彼方「そうっす」
記者C「その写真は?」
彼方「メンバーです」
記者C「あなたが手に持つそれは」
彼方「あなたのこころの消火器でありたい。
  海のやすらぎという冷たい昆布茶です」
記者C「なんだそれ。まっいっか。じゃ撮り
ます」
記者A「遅れてきたのにトップバッターはな 
 いでしょ。ドウシンさん」
記者B「まあまあドウシンさんは忙しいから」
記者C「いいんですよね」
と言って記者Bを睨みファインダーをの 
ぞく。
記者C「パッチンということで端の二人は指
パッチンしましょうか。はーい、いいね。
じゃいきまーす」
慈円警察署長・吾我 意智朗(55)が横
は入りする。
記者C「署長。顔半分ですよ。急に入るから」

○ちきんはーつ・カウンター席(夕)
  北海道新聞・水元たちの記事。
木戸「なんだいこれ。説明してもらおうか」
記事の写真を指差す。
水元「ほら、やっぱ怒
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