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みなかたパッチン
みなかたパッチン
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大きくなるトラックの走行音。
水元「なんかトラック来たぞ。隠れよ」
  座席の下に実を潜める三人。
水元「源なんか見える?」
頭をあまり上げず、窓から外の様子をの  
ぞく彼方。
彼方「マルシンのトラックだ」
光春「慈円で一番でっかい水産会社だね」
水元「えげつないね」
  中国語を話す二人の男性。
彼方「あいつらチャイナか」
水元「チャイナ。中国人実習生だな」
  船に乗り込む彼ら。
彼方「島田の昭夫の船か。あのおっさんキー
つけっぱなしだからな」
光春「それ熟知してんだ。確信犯だね」
船外機の音が鳴り響いてから船は出港す
る。
光春「警察に電話しよ。それで終わり」
  水元は下を向いている。
水元「街の連中にすずめの涙でロボットみた 
くして使われて、街に出りゃ白い眼で見 
られ、嫌になったんだろう。あいつらを 
追い込んだのは慈円だ。そっちは犯罪じ
ゃないのか」
彼方「見逃せってことか。じゃあすずきのじ
じはきもちをどこにぶつければいいんだ  
よ」
水元「わっからんよ」
  海に向かって叫ぶ。
 
○海(夜)
船外機の音を轟かせ港へ近づいてくる船。

○港(夜)
岸壁で船を待つ三人。
彼方「もう帰ってきたぞ。結論だせよ。ピカ
  と俺は決まってんだから」
水元「あいつらがどんな顔して戻ってくるか 
で決めるよ」

○船内(夜)
  デッキに出てきた一人の中国人は火炎瓶
を手に持つ。

○港(夜)
  (BGM ピンクパンサー テーマ曲)
光春「ビンじゃないあれ? あっ火つけた」
水元「火炎瓶じゃねえか」
光春「投げた」
彼方「逃げれ。逃げれ」
数発の火炎瓶が岸壁に落ちた。

○炎の中(夜)
火炎瓶の火が一瞬にして近くにあった魚
網に引火し三人の行く手を阻む。
水元「やべえ。なんかねえの」
彼方「これしかないわ」
彼方はリュックサックからどぶろくを取 
り出し、燃えさかる炎に中身をかけた。
彼方「おらあ」
炎は強さを増した。
光春「それ酒のにおいがするよ」
水元「アホ」
彼方「すまん」

○炎の外(夜)
向こうから車が来る。
急ブレーキで車が止まる。

○炎の中(夜)
火の隙間から木戸の姿が見える。
水元「時生だ」
プシューという長い音が水元たちの前に
立ちはだかる炎を小さくする。

○炎の外(夜)
消火器で懸命に消火する木戸。
三人の姿が確認できるまで炎が沈静化し
た。
○港(夜)
黒こげた魚網に白い液体がのっかる。
呆然と立ち尽くす、水元、彼方、光春。
消火器を静かに置く木戸。
木戸「バカ」
警察のサイレンが聞こえる。
× × ×
  十人以上の警察官に囲まれる二人の中国 

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