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みなかたパッチン
みなかたパッチン
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○閑散とした商店街アーケード・入り口(夕)
商店街アーケードの通路はつぎはぎだら  
けのアスファルト。
車両通行止めの看板を端に寄せる男性が
「どうぞ」と頭を下げる。
  そこを通る一台の高級車。
  T・みなかたパッチン
  (M 青色7・青いスポーツカーの男)

○車どおりの少ない町道
舗道に開いた穴の補修工事を行う土木作
業員たち。
N水元「北海道めあり郡慈円町。人口二万人
   ちょいの錆びれた港町。俺は捨てたは
   ずのこの街に拾われ、今は街のやつら
   が開けた穴を埋めている」
  × × ×
砂利の上にアスファルト合材をスコップ
で敷く水元雄心(29)。
その様子を腕を組んで眺める現場監督・
坂田和也(40)
坂田「やっと[ この地方のスラングで人をせ
  かすという意味を持つ]やっとやれや」
水元「すみません」
 
○トラック、車内
  昼食を頬張る作業員たち。
坂田「どうだ。疲れたか?」
水元「合材が以外に熱くてびっくりしました」
坂田「そんなこときてねえんだよ。疲れたか
  って聞いてんの?」
水元「はい。疲れました。足に結構きてます」
坂田「そうか。じゃあ昼からはエッチできな 
  くまるで使ってやるからな」
  薄ら笑いを浮かべる坂田。
相原 治(55) 、郡司昭義 (35)が
笑う。

○居酒屋ちきんはーつ(以下ちきんはーつ)・カウンター席(夜)
カウンター席向こう側の厨房でフライパ 
ンをふるう水元の母・水元麻奈(60)。
カウンター席後ろのイス席からガヤガヤ
と聞こえる。
カウンター席に座り、どぶろくにはいっ
ているアイス昆布茶を酌み交わす水元と
木戸時生(29)。
木戸「雄心。おつかれ」
水元「ほんと疲れたよ」
水元と木戸は互いのグラスを当てる。
アイス昆布茶を飲む二人。
水元「これまずいな」
木戸「まずい。源が来ないうちに捨てようぜ」
水元「そうしよっか。じゃ、あとりあえず」
水元は目の前にあるキープボトルの群れ
にそのどぶろくを隠し木戸に目線を向け
る。
水元「なんかさ。夢が無くて働くのってむな
  しいよな」
木戸「何言ってんの!」
麻奈「ゆう。そんなこといってたら後ろから
  モノ飛んでくるわよ。はい。これ持って
  って」
水元「はいよん」
席を立ち、イス席に向かう水元。
水元「お待たせてしました。牛とろフレーク
  と塩いくらの海苔巻きです」
  海苔巻きをイス席の客に差し出す水元。
カランコロンと、入り口戸が開き彼方源
次郎(29)が入ってくる。
  水元は戸の方向に目を向ける。
水元「よう」  
彼方「おいっす」
麻奈「いらっしゃい」
彼方「おばさん。これ今日の
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