暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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嬉しいです。ようやく念願の固有武器が手に入ります。
「ギル。おめでとう」
カトレアが真っ先に私の下に駆けつけてくれ……と言うか、私の胸に飛び込んで来ました。普段なら避けるのですが、今回は機嫌が良いのでそのまま受け止めてあげます。それに続いてアナスタシアやディーネ達が、私の勝利を祝福してくれました。父上と母上が隅の方で凹んでるけど、今は勝利の余韻に浸って居たいので放置させていただきます。
「それで兄様。どんな武器にするの?」
「そうですね……」
アナスタシアに聞かれ、気分の良い私はついつい答えてしまいます。形状や見た目から、どの様な効果を予定しているか、幾つもある案から面白そうな物を中心に教えてあげました。それを聞いているアナスタシアが、口をへの字にして行く事に気付かないまま……。そして
「私も固有武器欲しい」
アナスタシアがそう口にしたのは、必然だったのでしょう。しかし例外を認めない事から、固有武器が欲しければ父上と母上に認めさせるしかありません。そしてその条件は、今更説明するまでもないでしょう。
「危ないよ」
心配になったのか、ジョゼットがアナスタシアを止めようとします。が、それが逆に火に油を注ぐ結果となってしまいました。
「大丈夫だもん。兄様が勝てたんだから、私だって勝てるもん」
アナスタシアよ。それは兄をバカにしているのですか?
「兄様。兄様の武器庫の鍵を貸して」
アナスタシアの武器は、暗器類です。そして私の武器庫の中には、趣味で作った暗器が大量に保存されています。そう言った意味では、既にアナスタシアの固有武器はあると言えます。しかしその中には、ディーネや私のような華々しい物はありません。ちなみに以前アナスタシアに無断で持ち出された経緯から、鍵は複合魔法鍵にしてロック《施錠》やアンロック《解錠》は使えなくしてあります。
決断しかねた私は、父上と母上の方を見ました。すると、父上が頷いてくれます。
「分かりました。殺傷能力が無い物なら、自由に使ってかまいません」
そう言って鍵を渡すと、アナスタシアは嬉しそうに走って行きました。
それから約30分。ようやくアナスタシアが戻って来ました。一見すると先程と変わりありません。
「父様。勝負よ」
「ああ。何時でも来なさい」
それぞれ開始の位置に付き、構えを取ります。アナスタシアは一見無手ですが、何処から何が飛び出すか分かりません。父上もそれが分かっているのか、警戒を緩めるようとはしませんでした。しかし……
アナスタシアが自身のスカートを掴み、前の方をたくし上げたのです。
(何やっとんじゃ。あの馬鹿妹は!?)
と、そう思ったのも束の間。パシュと言う排出音と共に
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