暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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逃がしたか。なぎ倒した後に、剣を突き付け終了だと思ったのだがな」

 着地を成功させた私に、アニエスが「素晴らしい反応だな」と続けたので、私は「偶然です」と返しておいた。それよりも問題は……

「今のは、飛燕剣ですね」

 正確には《身妖舞もどき》か? 身妖舞の足運び・腰の溜・腕の振りを自らの連撃に応用し、これまでにない連続攻撃を繰り出しただけだ。一撃では無く二撃に力を集約させた事から、殲綱斬よりの身妖舞と言ったところだろう。パワー・スピード共に、厄介極まりない。

「ああ。この数日で盗ませてもらったよ」

 こともなげに言ってくれる。だが、暢気にスタミナや集中力切れを待つ訳には行かなくなった。今の技を警戒しながら戦えば、その分余裕を持って立ちまわらなければならなくなる。その皺寄せにより、こちらの消耗が早くなるからだ。ならば如何するか?

 ……簡単だ。短期決戦。つまり、消耗前に終わらせれば良い。

 アウトレンジからのスピード勝負以外、勝ち目がない事は変わらないのだ。多少分が悪くなった所で、戦法を変える理由にはならない。なら、消耗を気にせずにギアを限界まで上げるだけだ。

「やるな。そこまで早く動けるのは、衛士隊にもなかなか居ないぞ」

 ギアを上げるだけではダメだ。それだけでは、アニエスに通用しない。工夫が必要だ。ステップを最適化しつつ、フェイントも織り交ぜる。

「なっ!? まだ早くなるのか?」

 まだだ。まだ足りない。最適化を更に進め、剣の動きを使い視線誘導も行う。

「くっ!!」

 だが、そこまでが限界だった。この短時間では、最適化にも限界があるのだ。思考も空回りを始め、集中力を削り始める。

 ……どんなに早く体を動かそうとも、地を捕える足の裏のグリップには限界がある。魔法が使えれば、ウォークライ《戦歌》で更に加速できそうではある。だが、足裏のグリップに限界がある事を考えれば、望む程の効果は得られないだろう。ならば、いっそ別の魔法で……

「!?」

 思考がそれたすきを突かれて、アニエスに距離を詰められた。身妖舞もどきを放つ気の様だが、まだ回避は十分に間に合う。

 バックステップで距離を取ろうとするが、身妖舞もどきで左右の剣を強くはじかれ、バランスを崩されてしまった。

 ドフン 「かはぁ」

 思考が雑念になった段階で、私の負けは確定していたのだろう。バランスを崩した所に、体当たりを食らい転倒させられてしまった。そして私が起き上がろうとした所に、剣を突き付けられてしまう。

 ……負けだ。

「参りました」

 そう宣言すると、アニエスは剣を降ろします。

「なかなか有意義な模擬戦だった」

 アニエスが手を差し伸べてくれたので、私はその手を
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