暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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ようだ。

 そう。全ての感情を止め……雑念を置き去り、己が剣とのみ対話する。

 一人の訓練を初めて、この境地に至れたのが一番の収穫と言えるでしょう。この境地に至れたのは最近ですが、至ってからは剣の錬度が自分でも驚く位に上がっています。

 しかしそれでもなお、父上と母上には届きません。

 きっと何かが……何かが足りないのでしょう。

「……ふぅ」

 つい陰鬱な溜息を突いてしまいました。そしてふと周りを見回すと、訓練開始直後は満面の笑みを浮かべて居たアニエスが、表情を消し真顔でこちらを凝視して居ました。これはこれで怖いです。

「あの……如何したのですか?」

「いや。なんでもない。……部屋に戻らせてもらう」

 そう言って、そのまま行ってしまいました。本当に何なのでしょうか?



 次の日もアニエスは、訓練中の私の所に来ました。しかし声をかけるでもなく、じっと私の事を見ているだけです。

 ……そう。何故か、私の心証を良くするような行動に出ないのです。

 それが、次の日も……その次の日もと続けば、いい加減私も不安になって来ます。

(本当に何なのでしょうか? ひょっとして、私の予想が外れたのでしょうか?)

 アニエスの目的は、復讐の助けとなる《魔法吸収》能力を持った剣のはず。それが違うとなると、いよいよもってアニエスの目的が分かりません。しかし、彼女が接触しようとしているのは、間違いなく私です。ディーネならともかく、私とアニエスに、それ以外の接点は無いのです。

 予想が外れているなら、これ以上の接触は危険かもしれない。

 そんな考えが、頭をよぎる様になった時です。

「ギルバート殿。少し手合わせしてみないか?」

 一瞬、何を言われたか分かりませんでした。

「ディーネから色々と聞いたよ」

「何を……ですか? (何しゃべりやがった?)」

 今回は一緒に訓練していたので、思わずディーネを睨んでしまいました。当の本人は、それに気付かずに剣を振り回しています。恨めしい。

「焦っているそうだな。確かに現状の情勢を考えれば、いつ戦争になっても不思議ではない。一刻も早く実力を……力を付けたいのも分かる。だが、少し焦り過ぎではないか……と、心配していたよ」

 そう言われると、何も言えなくなってしまいます。しか……

「それに、アズロック様とシルフィア様に勝たないと、ディーネのアロンダイトの様な固有武器を作らない約束だそうじゃないか」

 ヤッパリお仕置きです。暫くエリス(アロンダイト)には里帰りしてもらいましょう。気分はもう“ダメディーネ(おっと)からエリス(むすめ)を取り戻す父親”です。

「で、如何するのだ?」

「……お受けし
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