暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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「何の心算?」

「ちょっと意地悪が過ぎたと思いましてね。ビターシャルがあまりに封印封印とうるさかったので、ちょっと意地悪したくなってしまったんですよ」

「そうなの? まあ、そう言う事なら良いけど」

 まだちょっと警戒している様ですが、誘惑に負けたルクシャナはスプーンを手に取ります。

「頂くわ」

 ルクシャナは平静を装いながら、ジェラートをスプーンで掬います。口元が緩み目がジェラートに釘付けなので、全くと言って良い程隠せていませんが……。そしてスプーンが口の中に入り込むと、釣り上がった目が垂れ下がり、ゆるくなっていた口元が更にゆるくなります。まあ、ハッキリ言えば、だらしない顔ですね。とてもアリィー君には見せられません。

「美味しいですか?」

「うん」

(少し幼児退行している様な気がするのは、気のせいでしょうか?)

 私がそんな事を考えている間に、スプーンは容器と口を往復します。そしてそうなれば必然的に……

「無くなっちゃった」

 まあ、当然ですね。そして訴えかける様な目で、私の方を見て来ます。

「もっと欲しいですか?」

 コクコクと頷くルクシャナですが、私がニッコリと笑うと途端に顔を引き攣らせます。何か良い事でもあったのでしょうか?

「私のお願いを聞いてくれるなら、好きなだけ食べさせてあげますよ」

「条件を言って」

「もう言ったでしょう」

「? ……ッ!?」

 一瞬分からなかったようですが、直ぐに私の言っている事に思い当たったのでしょう。そのまま悩み始めてしまいました。流石のルクシャナも、尊敬する叔父の言いつけを破るのは躊躇する様です。

 良いですよ。待ちます。

 ……

 …………

「分かったわ。叔父様には内緒にしてね」

 暫く悩んで出した結論は、私の条件を飲むと言う物でした。予定通りです。これでアニエスが出発する前に、剣を完成させる事が出来ます。



 剣は無事に完成させる事が出来ました。が、肝心のアニエスから何のリアクションもありません。

 ディーネに様子を聞いたところ、元気がなく何か悩んでる様子とのこと。私が言った事を、真剣に考えてくれているようです。……正直に言って、安易に考えず真剣に考えている事に好感を覚えます。復讐に取り憑かれた人は、思考を放棄してしまいがちなのでかなり心配していました。

「ユース。如何なると思う?」

「知らん」

 私が話しかけたのは、アニエス用に作成したインテリジェンスソードです。復讐でなく正義の為に戦って欲しいという思いを込めて、銘はジャスティスとしました。雷属性から、何故か正義を連想したのもあります。人格名はユース……正義の女神であるユースティティアから
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