暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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ボウル固定型の撹拌機)をセットします。それを冷凍庫(これもマリヴォンヌとの共同開発)に入れて撹拌機のスイッチをONにします。残った1センチ角マンゴーは冷蔵庫(これもマリヴォンヌとの共同開発)の中に入れておきます。

 ここまで来れば分かる人もいるでしょう。私が作っているのは、マンゴージェラートです。数時間待って完成したジェラートを、キンキンに冷やした器に盛り付けて、最後に冷蔵庫に入れたマンゴーを乗せて完成です。

 カトレアとティア(+レン)にも味見してもらいましたが、大変好評でした。

 ……これでルクシャナを買収します。

 この時間ルクシャナは、一人で押し付けられたダミー商会の事務を行っています。そこに乗り込みます。

「やぁ。こんにちは」

 私が部屋に乗り込むと、不機嫌な顔のルクシャナが居ました。

「何の用?」

 明らかに歓迎されていません。

「ちょっと、頼みたい事がありましてね」

 私の言葉に反応して、ルクシャナの顔が不快そうに歪みました。嫌な仕事を押し付けられたとは言え、これは相当キていますね。

「実はまた、インテリジェンスソードの中身を用意してほしいのです」

「ダメよ。叔父さまからも固く禁じられているわ」

 ビターシャルめ、余計な事を……。

「そうですか。仕方がありませんね。……カトレア」

「はい」

 カトレアが、二人分のマンゴージェラートを持って部屋に入って来ます。一人分は100mlくらいで、その気になれば一口か二口で終わってしまう量です。残りは父上達の所へ送ってあります。今頃ティアやレンも含め、皆で食べている頃でしょう。

「そ それは」

「マンゴージェラートです」

「じぇらーと!? しかもマンゴー!?」

 以前にミルクジェラートを食べさせたことがあります。その時も感動していたようですが、今回は更にエルフに人気があるマンゴーを使っています。これを「食べたくない」と言えるエルフは、存在しないでしょう。(思いっきり偏見が入ってます)

「さあ、カトレア。頂きましょうか」「ええ」

「えっ?」

 マンゴージェラートは、私とカトレアの前だけに置かれています。そしてカトレアが一口食べた時点で、ルクシャナはようやく状況を呑み込めたようです。

「わ わたしを買収するつもり?」

 ルクシャナの言葉に、私は返答する事無くニッコリ笑うと、スプーンに手を伸ばしました。それだけでルクシャナの口から「あっ」と、切ない声が漏れたのです。

「どうかしたのですか?」

 私がそう聞くと、ルクシャナの顔が悔しそうに歪みました。

「はい」

 私はジェラートが乗ったトレイを、そのままルクシャナの前に押し出してあげました。

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