暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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いたら? そして目の前に、まだ生きた小さな子供が居たら?」

「何が言いたい?」

 アニエスの表情に、僅かに敵意が混じります。

「もう、分かっているのではないですか?」

 私がそう言うと、アニエスは大きくため息を吐き(うつむ)いてしまいました。

「……そう だな。私を助けたのは、私の両親を……友を……皆を殺した奴なのだな」

 そのままアニエスが落ち着くまで間を取ります。……等と考えて居たら、アニエスが先に口を開きました。

「ギルバート殿は、何故そんな話を?」

「“調べた”と言ったでしょう。それは先程言った者達の、その後にまで及びます。その中の一人に、思う所があっただけです。もちろん復讐を否定する気はありませんよ。復讐者と言う意味では、ドリュアス家も同じですからね」

「……同じ?」

 アニエスの口から洩れた疑問に、私は頷きました。

「本来なら私には、4つ上の姉が居るはずだったのですよ」

「それは……」

「……毒殺でした」

「なっ!!」

 アニエスの顔が、驚きで歪みます。

「ドリュアス家の人間が、貴方に好意的な理由……これで分かったでしょう」

 アニエスは再び俯いてしまいました。彼女の性格からすると、自己嫌悪で顔を上げられないと言った所でしょう。

「もう一度、自身の復讐について考えてみてください」

 私はそう言って立ちあがり、聞き耳防止用のマジックアイテムを停止します。そして、執務室を出て行こうとした所で……

「私の(かたき)とドリュアス家の(かたき)は、同一人物なのか?」

 私が振り向くと、アニエスは俯いたままでした。

「はい」

 肯定だけして、私は執務室を出ました。

 アニエスは私の問い掛けに、どの様な答えを出すのでしょうか?



 次の日から父上と母上に事の次第を報告し、工房に籠る事にしました。未だにアナスタシアに負けた事を引きずっているみたいですが、任せるしかありません。

(何か大きなミスをして、十倍になって帰って来るとか無いですよね?)

 不吉な事が頭をよぎりますが、気にしていても始まりません。アニエスの休暇も残り僅かとなり、もう作り始めないと間に合わないのです。

 何だかんだ言って、アニエスがちゃんとした答えを出すと信じてしまっているんですね。原作知識を過信しないと決めたのに、如何しようもありません。自分の甘さに、呆れてしまいます。

 しかし残り時間を考えると、こだわった物を一から作るのは不可能です。ある程度妥協するか、既にある物から流用する必要があります。そこで目に入ったのは、試作で作った属性剣のロングソードでした。

 ミスリルやコルシノ鋼等の魔法金属は使っ
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