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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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思わず「何処が?」と、聞きたくなってしまいました。
「今の自分の立場を理解していますか? 剣を欲する気持ちも理由も理解できますが、やり方が不味すぎる。下手をすれば、王家とドリュアス家の間に不和が生じかねません。国の事より私事を優先した時点で、とても機密情報は教えられないと思いますが?」
「ぐぅ」
呻っても、如何しようもありません。
「第一、先程の話にも不審な点があります」
私の言葉に、アニエスは唖然とし、次いで怒りからか顔を真っ赤にしました。当然ですね。誠意をこめて真実を話していたのに、うそつき呼ばわりされた様な物ですから。
「何故。アニエス殿は生きているのですか?」
私の質問に、アニエスは反応出来ませんでした。
「当時のアニエス殿の年齢を考えると、炎に燃え盛る村から逃げ延びる体力があったとは思えません。誰かが助けに来るまで隠れるにしても、炎に包まれて燃え尽きたダングルテールでは、助かる見込みは皆無と言って良いしょう。では、何故助かったのか? その辺の話がスッポリ抜け落ちているのですよ」
「それは……」
アニエスにとって、ここが私を説得出来るか否かの瀬戸際です。必死に記憶をたどり、その事を思い出そうとして居ました。そして……
「気が付くと、浜辺で毛布に包まれていた。その前は、……誰かに背負われていた」
「誰ですか?」
「分からない」
「分からない? 同じ村の出身なら分かるでしょう?」
ダングルテールの人口は、死者の数(百二十九人……妊婦の方を入れて百三十一人)から考えて、恐らく百五十人……多くとも二百人に満たないハズです。そんな規模の村なら、全員が顔見知りと言って良いでしょう。分からないはずがありません。アニエスは思い出そうと、記憶の底を必死に探っている様ですが……
「いや、やはり分からない。だが、首筋に酷い火傷のあとがある男だった」
そこで彼女の思考は止まってしまいました。それでは意味がありません。
「アニエス殿は、本当に疫病が発生したらどうしますか?」
突然の話題変化に、アニエスはついて来れませんでした。
「その疫病は致死率と感染力が非常に強く、放置すれば甚大な被害が予想されます」
「何を……」
言いたいのだ? と、彼女が言い切る前に話を続けます。
「そして将来の何十……何百万人の命と引き換えに、疫病が発生した人口二百人に満たない村を焼く事が決定しました。そしてその任務が自分に言い渡されたら、アニエス殿は如何しますか?」
「そ それは……」
軍人と言う立場上、彼女も上に逆らう事は出来ないでしょう。軍人とは、そう言う者です。
「そして任務の遂行中、疫病の発生と言うのが誤報や嘘だと気付
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