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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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に運動する時間も無いのです。

 将来的にやらなければならない事なので、予行演習と思いある程度なら割り切る事が出来ます。……すみません。嘘を吐きました。全然割り切れません。もう逃げ出したいです。それに加えて問題となるのは、忙し過ぎて固有武器の作成に移れ無い事です。必死に頑張ったのに、この仕打ちは酷いと思います。

 今の話を聞くと“実務改善が全く見られない”と、呆れられてしまうかもしれませんが、実際はかなりの改善が進んでいます。以前は父上と母上に加え私の三人(+母上の偏在)がかりでも終わらなかったのですが、最近では二人(偏在無し)で週に一度休む余裕すらあります。私とカトレアが終わらないのは、単純に書類の内容を把握できていないからです。内容確認と言う一工程が、作業量を倍以上に膨らませているのです。……引き継ぎって大事です。

 二ヶ月もすれば、父上・母上と同程度の効率で作業できるようになるでしょう。ですが、その前に父上と母上が復帰するはずです。

 しますよね? ……しなければ、家出してやる。

「ギルバート殿」

 そんな不遜な考えが頭をかすめ始めた時、いきなり声をかけられました。振り向くと、そこに居たのはアニエスです。

「何か用ですか? 執務で疲れているので、出来れば後日にしてほしいのですが……」

 正直に言うと、面倒事は勘弁してほしいです。しかしこの二週間で、私が執務に縛られ接点は無くなってしまいました。こうして直接訪ねて来るしか無かったのでしょう。

「それは……すまないと思っている。だが、私にも事情があるのだ。どうかそれを聞いてもらえないだろうか?」

 ダングルテール事件について話すのは、ドリュアス家の人間に有効と知られましたからね。実際に自分の性格を分析してみても、原作知識……コルベールの件がなければ喜んで協力していたでしょう。

「分かりました。執務室に行きましょう。そこで話を聞きます」

 アニエスを促し、執務室(じごく)に舞い戻ります。ちなみにカトレアは先に帰したので、今頃は体を拭き終わりベッドにダイブしているはずです。

 私は聞き耳を防止し執務室の端にあるソファーに座ると、好きにしてくれと言わんばかりに背もたれに体を預けました。

「失礼する」

 アニエスは私の正面のソファーに座り、こちらを真剣な表情で見ています。流石にこのまま聞くのは失礼なので、一度座り直し姿勢を正しました。

「それで、話と言うのは何ですか?」

「先ずは改めて謝罪とお礼を……。お休みになる所、突然押し掛けてしまい申し訳ありませんでした。そして私の話にお付き合いいただける事、本当にありがとうございます」

 アニエスが一度頭を下げたので、私は頷いて礼を受け取っておきます。

「それで
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