暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第三章:蒼天は黄巾を平らげること その2
[11/11]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
れる皺一つ一つに隠しきれない邪気が漂っていた。

「では、さらに問おうぞ、若人。ぬしは修羅羅刹となってでもあの者達を助けたいかァ?あの純真無垢な夢見る『あいどる』達を」

 その問いに、男の冷淡な顔立ちを際立たせるように目を細めた。幾秒か間を置いた後、男は答える。

「既に羅刹となった身だ。修羅が付こうが関係ない。俺は彼女等を守り通す。それが俺の、『ふぁん』としての務めでもある」
「・・・そうくると思ったわ」

 老人は愉快そうに膝を叩く。瞳の好奇心を一気に邪気に変えて光らせる老人は、幾分低められた声で言う。

「私はこの世の移り変わりを見てみたいと思っておる。そのためにはあのような邪道の老人共など、さっさと消えてほしいと思っておる。ゆえに私はそなたの力となろうぞ。私を味方とすれば、世の動向は思うが儘に分かるだろう。どうだ、そなたの理想のために、私を使ってみないか?」
「・・・いいだろう。今は一人でも多くの仲間が欲しい所だ。暗殺者の居場所を知らせてくれた恩義もある。老人よ、あなたと手を結ぼうぞ」
「そうこなくてはな。私は大陸一の占い師、管輅じゃ。ぬしの名は?」
「・・・丁儀だ。字は正礼」
「よかろう丁儀、我らはこれより一蓮托生の身ぞ」

 立ち上がった管輅は丁儀に近付いて肩をぽんと叩く。それを意に介せず、彼はゆっくりと言葉を紡いだ。

「・・・俺の昔馴染みで、信頼できる者が官軍に居る。何らかの形で計画に巻き込めば、無理にでも協力を得られることができるかもしれない」

 丁儀は、笑みを深めた老人に遠慮がちに小さな声で言う。敵方の名を出された管輅はさも愉快だといわんばかりに目を吊り上げた。

「・・・名は?」
「・・・辰野仁ノ助。無二の親友だ」



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ