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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第三章:蒼天は黄巾を平らげること その1
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は、ウチらには貴重なんだよね。なんでもかんでも人並みにやれるっていう能力が。・・・仁さん。夏候惇将軍みたいに武を振るってみたい?俺は嫌だ」
「俺も絶対イヤだ。いらない注意を惹きつけていらない恨みを買いそうだよな、あれ。そんなんだったら地味に堅実に生きていたいね。誰かさんを見倣って」
「一体誰の事を言っているんだか。まぁ、気持ちは分からないでもないよ?俺がお前の立場だったら、きっとそうしているかもな。客将なんて危うい立場、軽く小突かれるだけでぶっ飛びそうだから。お前の相方もきっとお前と同じように思ってるでしょ」
「どうかなぁ。あれは結構派手好きな感じがするんだけど・・・」

 どうにも仁ノ助の胸中では、錘琳という人物は何かをやらかさずにはいられない人間という印象が強かった。女性的な魅力ーーーたとえば健康的で意外にも起伏に富んだ体躯とかーーーも勿論あるのだが、普段の生活ぶりを見るにそれを感じるのは稀であったのだ。
 ついでに自分のかしがましい女性の仲間達を思い出すと、仁ノ助はある共通項に気付いてしまった。

「どうしてウチの軍にはキワモノばかりいるんだろうな。普通の人なんて全くいないぞ。一番マシなのが夏候淵将軍って、おかしいだろ」
「姉さんの色眼鏡に適った結果でしょ?」
「お前、色眼鏡とか・・・危ない発言だな。荀イクに聞かれたら折檻どころじゃすまないぞ。クビチョンパだ、物理的に」
「そうだよな。荀イクだけじゃなく、惇姉あたりもやってきそうだよな。こう、後ろからいきなり現れて有無を言わさずに七星飢狼をーーー」

 続きを言わんとした時、いきなり後ろから強烈な気配が接近するのを感じて二人は飛び起きた。直後、二人の身体が置かれていた場所を一振りの大剣が切裂いた。見事に粉砕された城壁を見て衛兵がいやそうに顔を歪める。
 事もなげに大剣を担ぎながらそれを行った人物、夏候惇は厳しい視線を注いできて、「こうやって欲しかったのか、うつけ者共」と吐き捨てるように言ってのけた。

『いいえ、滅相もありません。今日もお美しいですね、夏候惇将軍』
「ったく、柄にもない事を言いおって。その腑抜けた態度を正すのに私の剣を使わねばならぬとは、何とも情けない話だ。本当なら貴様らのとろけた頭から剣で裁断してやりたい所だが」
「怖い事言ってるけど、ちょっと照れてるよね」「うん。惇姉はああいう顔が可愛いんだよ」
「兎も角!華琳様が御呼びだ。馬鹿者め。さっさと来い」

 ずけずけとした荒い足取りで夏候惇は去っていく。まるで嵐のような存在である。足下に転がっていた城壁の破片を蹴飛ばしながら、仁ノ助は何でもないように呟いた。

「はぁ・・・酒飲みたい」
「ん?仁さんって酒好きなの?」
「飲めない事も無いが、割と酔っ払う方。でもたまに無性に飲みたくなる。そん
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