第12話 今度は三人仲良く、だそうですよ?
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てる水音のみが響く、非常に落ち着いた雰囲気の室内と成って居た。
「こんな、年中お祭り騒ぎの破壊神は無視して構わないからね、ハクちゃん」
未だ立ち上がった状態で、こちらに綺麗な背中と形の良いおしりの部分を見せて居る破壊神の少女シノブを無視して、湯船の縁にしなだれ掛かる仕草が妙な色気に似た雰囲気を発して居るハクに告げた。
それに、この短い付き合いから判った事は、このシノブと名乗った少女は騒動屋。
それも、どうやら自らが事件の中心に居なければ気が済まない性質がプンプンと臭って来る相手でも有る。
こう言うタイプの人間の思うままに場を支配されたなら、厄介事に向かって頭から突っ込んで行く事に成るのは間違い有りませんから。
しかし……。
「明日は南で雨乞いを行う心算です」
美月の右横から、少し体力が回復したのか身体をクルリと裏返し、湯船の縁に今度は背中を預けた形に成ったハクがそう言った。
ただ、未だ疲労の色は濃い。
もっとも、無暗矢鱈と身体中を触りに行く破壊神の少女シノブの方にも問題が有ったのは確かですが、無駄に体力を消耗する形で抵抗を続けたハクの方にも、まったく問題が無かった訳では有りません。
ただ……。
「雨乞い?」
少し……。いや、かなり大きな声でオウム返しに問い返す美月。その声が、狭い浴室内に反射して、妙に響きの良くない声として発した本人の耳に返って来る。
対して、
「雨乞い? 何か地味ね」
こちらはかなり勝手な感想を口にする破壊神の少女シノブ。何時の間にか一歩前に出た位置で振り返り、再び湯船に腰を下ろした形と成って、美月やハクの方向に顔を向けている。
「はい。村の子供たちに聞きました。この村はここ数年の間、異常な小雨の状態が続いて居ると言う事ですよね、美月さん」
確かにそれは事実。もっとも、ハクと白娘子のギフトゲームの結果、水。特に、飲み水などの生活に関係した水に関しては既に問題が無く成って居る。
それに農業に関しても、元々有った水路の改修を先々に行えば、農業に関しての問題は無くなると考えていた彼女だったのですが……。
ただ……。
ただ、ここは神が転生者たちのスキルアップを行う為に用意した世界。
そして、今までにこのコミュニティを取り巻いて居た厄介事は、最終的にはすべてギフトゲームによって解決されて来ました。
つまり、この付近に雨が降り難い状態が続いて居るのも、何らかのギフトゲームが行われる予兆と考えるのならば……。
それでも、
「確かに、ハクちゃんがやって来てからの流れで考えたら、南に向かってウカツに水路の整備を行うよりは先に何かを行って置く方が良いとは思うけど……」
それでも
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