第12話 今度は三人仲良く、だそうですよ?
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れ以上、バンダナの青年がこの場で何かを行う心算はないと判断した、リューヴェルトが更に問い掛けを行った。
その問い掛けを、あっさりと首肯して答える青年。そして、
「そう思って貰えても間違いでは有りません」
僕個人としては、皆さんをお慕い申し上げているのですけどね。
……と、薄ら笑いを貼り付けた顔で、やや肩をすくめて見せながら答えた。
この他人を不快にさせる嗤い顔が、この青年を信用に足らない人物として認識させている。そう、リューヴェルトは結論付けた。
口調や態度。話の内容も筋は通って居る。まして、先ほどリューヴェルトに迫った決断についても、何のリスクもなく過去の改変や、平行世界への移動などが為せないと言う事の証で有る可能性も有り、過去を改変するのなら、それに見合うだけの未来を捨てる覚悟を示せ、……と自らに迫った可能性すら存在している。
そのようにリューヴェルトが考えた正に瞬間。
「仕事は終わったのか?」
何の前触れもなく、バンダナの青年の背後の暗闇から現れる青年。
見た目の年齢は最初から居る人物と同じぐらい。背丈に関しては、最初から居るバンダナの青年の方がやや高い印象。容姿に関しても最初から居る青年が王の雰囲気を纏う美青年と言うべき存在に対して、新たに現れた青年は日本の街に出掛けると確実に存在して居る、何ら目立つトコロのない十人並みの容姿の青年。
服装に関しては、バンダナの青年と同じ深い緑色のブレザーに白のシャツ。ワインレッドのタイにスラックスは黒。
まるで何処かの学生のような服装。ただ一点、服装に関して奇異に映るのは、その両手に嵌められた革製の手袋の存在。指の動きを阻害しない為に、指先の部分を露出させた手袋を嵌めた姿は、容姿や服装の点から言うと、その新たに現れた青年の一目で判る特徴と言うべきで有ろうか。
但し……。
「えぇ。もう、すべて終わって居ますよ」
但し、彼自身……。リューヴェルト自身が普通の人間ではない故に感じる事が出来た。この新たに現れた青年も、見た目通りの平凡な人間ではないと言う事が……。
そう。其処にふたりが共に在ると、いやが上にも感じる事となる。
このふたりの青年が纏って居る黒い霧に等しい気配。
闇を纏い、死を纏いながら、その場に新たに現れた青年がリューヴェルトの方に視線を向ける。その彼が纏って居る雰囲気に相応しくない、非常にやる気を感じさせない瞳で。
そして、直ぐに興味を失ったかのように視線を逸らし、
「そうしたら帰るか」
……と、表情や、普通の人々が彼に抱くイメージに相応しいやる気を感じさせない。何か、嫌々仕事をやらされている雰囲気で、そう問い掛けた。
但し、彼の纏って居る人ならざる雰囲気を感じ取る事の出来る人
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