始まり
第04話 直々にお願いという依頼だとさ
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「ええ、その通りです。実はその黒歌には妹がいました」
「……もしかして、先ほど言っていた子というのは」
「ああ、そうだ。黒歌君の妹である白音君だ」
レイヴェルは息をのみ、俺は驚きもせずに言葉を待った。
「上層部の者達が主を殺した黒歌君の責任を白音君に押し付け殺そうとしてね、見過ごせなくなって保護をしたんだ。今はリアスの眷属となってもらってるんだが……周囲の者から暴言や暴力を受けたせいか心を閉ざしてしまってね」
ここまで話を聞いて秋人は理解した。
胸の内にイライラが募り、それは自然と口から出た。
「……ふざけんなよ。姉がはぐれになったから妹を殺す? っざけんな! そんな理不尽あっていいわけないだろ!!」
「あ、秋人さま……?」
他者の勝手な理由で殺されてしまった自分と似たところを感じてしまったのか怒りを顕わにした。
(もしや秋人さまは彼女と自分を重ねているのでは……? でしたら私は……)
「……すみません、黒歌さんが主を殺した原因はなんです?」
「先程もあったように仙術の暴走によって自我を失ったことが原因であると」
「それ、ホントですか?」
「と、いいますと?」
「他の理由……例えば、黒歌さんが主を殺さなければならないほどの理由があったとか」
「……ふむ」
「彼女は猫?と呼ばれるだけあって仙術を使うことに長けていた。仙術による暴走は絶対ないとは言いませんが……」
確証はないとはいえ、言いたいことは言った。
それからいったん離れ、元の話に戻る。
特段、これといって断る理由がない。
それに何か予感めいたものがあるし……
「黒歌さんの件は置いて、白音ちゃんのことなんですけどOKですよ。来ヶ谷秋人は今回の件、引き受けさせてもらいます」
「そうか、ありがとう。レイヴェル君もいいのかい?」
「もちろんですわ」
良い返事を聞けて満足げなサーゼクスさま。
「それで、君たちは何を望むんだい?」
そう言うサーゼクスさまに対価を求めた。
「まあ、対価っていうより俺の方からもお願いなんですけど」
「構わないよ。私に出来ることなら言ってみなさい」
「お仕事で忙しいうえに、魔王が一事件へ必要以上に干渉するのはアレなんですが、黒歌さんの事件について独自に再調査してはもらえませんか?」
「ふむ……。いいだろう。それについては私も疑問に思っていたところだ。グレイフィア」
「わかりました」
「ありがとうございます」
サーゼクスさまは次にレイヴェルを見る。
しかし、すぐには思いつかないようで、後日改めて伝えるということでこの話は終了した。
◇―――――――――◆
秋人とレイヴェルが退席し
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