第四十九話 時間との戦い
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シャトルでアズラエルが脱出している最中、イライジャはシンのデスティニーに突撃を仕掛けて零距離斉射を行った。巻き起こる爆発。イライジャは自機が落ちていく中で意識を失いつつも、一矢報いたことで不敵に笑う。
『流石に…劾みたいに巧くはいかないな……』
しかし、デスティニーも無傷とは言い難かったが、致命的というほどのダメージを受けたわけではなかった。元々、VPS装甲のデスティニーにストライクルージュのI.W.S.P.は相性が悪かったことも原因の一つだ。だが、逆に言えば、今イライジャが生きているのもストライクルージュに施されたPS装甲のおかげでもあった。仮にビーム兵器が大半を占めていたならデスティニーを撃破出来たとしても、同時にイライジャの乗るストライクルージュも爆発していたことだろう。
尤も、ビーム兵器だった場合、シンのデスティニーはまず接近すら許さなかっただろうが。
『そんな……何でッ!』
傭兵が行った無謀な行動に思わずシンは敵でありながら、疑念を投げかける。傭兵なんて、自分自身の為に戦争を利用して金を稼ぐような、シンにとってはロゴスと同じように憎むべきような対象だ。
(その力を手にしたときから、今度は自分が誰かを泣かせるものとなる。それを忘れるな―――)
前にアスランが言ったその言葉が思い出される。違う、でも俺は間違ったことをしたわけじゃない。そう思っても、目の前で自殺行為に近い行動を取ってでも止めようとした敵を見るとその言葉を思い出してしまう。
「クッ、イライジャ!!」
劾のジャスティスがイライジャを救う為に突破を図る。レジェンドもシンが攻撃を受けたことでそちらに意識が割かれており、レイはジャスティスを捉えていた射線からの突破を許してしまう。
『ッ、逃がすか!』
レイがレジェンドのドラグーンの角度を調節し、脱出しようとしている劾に狙いを定める。だが、劾はシールドを投げつけることによってレジェンドの行動を一瞬遅らせ、そのまま重力に従うように下に落下していきながらイライジャのストライクルージュを掴んだ。
『やってくれる……だが、その状態では回避しきれまい!』
『―――レイッ!』
レイがレジェンドの一斉射撃で止めを刺そうとしたとき、後ろから迫ってきたものをシンが見つけ、警告した。
『グッ―――!何だッ!?』
シンの警告を受け、本能的にビームシールドを展開しながら咄嗟に機体を動かすレイ。その瞬間、レジェンドに向かって衝突してきたのはジャスティスのリフターだった。
『馬鹿なッ!今更何故!?』
リフターは先程ストライクルージュを援護するために外した筈だと、そう思っていた。しかし、リフターは遠隔操作が可能であり、外したとはいえこの場に戻すことは可能であった。しかし、下手に
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