第四十九話 時間との戦い
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戻そうとすれば、レジェンドやデスティニーによってリフターが撃ち落とされただろうと思い、だからこそ隙を見せたこの一瞬しかないと、そう判断して呼び寄せたのだ。
そうしてレジェンドの動きはリフターによって遮られ、シンは先程の動揺から立ち直り切れず一瞬の躊躇を見せる。それが命運を分けた。
「任務はここまでだ―――撤退するぞ。イライジャ、聞こえるか!」
『痛ッ……すまない、劾……俺のせいで』
痛みを堪えながら、接触回線で劾に謝る。イライジャは自分が余計なことをしたせいで逆に劾を危機に曝してしまった事に惨めさを覚える。
「いや、良くやってくれた……お前がいなければ俺は助からなかっただろうさ」
気休めではない感謝の言葉を劾は口にし、その言葉を聞くと同時にイライジャはそのままコックピットの中で意識を失った。
◇
『我々は今頃シャトルで脱出していることでしょう。感謝していますよ、ウナト殿』
『そうとも、これだけ大きな手助けをしてもらったのです。今すぐにでもお礼をしようと思いましてね』
一つの録音された音声機器から流れる声はアズラエルとジブリールの声だった。始めはウナトも一体どんな厄介事なのかと思いつつ、この後のザフトとの交渉時に少しでも有利に話を進めれる要素が無いかと確認する為に聞いていた。しかし、その話の内容が進むたびにウナトは顔を真っ青にする。
『今、貴国に纏わりついているザフト軍、邪魔であろう?それでだな、手っ取り早く片付ける方法を思いついたのだよ』
せめてウナト自身がいま思いついているようなものではないことを祈るが、その期待はあっけなく裏切られる事となった。
『核だよ、このオーブの国内にダガー部隊を使ってコンテナを仕掛けておいた。三つほどね―――何、安心するといい。これでこれから先の国の行方を憂う心配はないであろう?』
ウナトは理解していなかった。相手は連合を裏から操る組織の人間なのだ。あのアラスカ基地やエンデュミオン基地でサイクロプスを起動させるような輩なのだ。
『どちらにしても我々が本当に脱出したかなどザフトには確かめようがない。ならば引かぬであろうザフトを核爆発で巻き込んでしまえばいいのだよ』
ジブリールはこういう人物だった。これほどの危険人物だからこそ受け入れざる得なかったウナトだが、自分に甘さがあり過ぎたのだ。その危険性は重々承知していたはずだったにも拘らずこの失態。何たる無様と自分を罵る。
「た、大変なことになった……誰か!すぐに国防本部に連絡を回すのだ!核が!?」
すぐさまオーブの国防本部へと連絡を取り次ぎ、ザフトにも知らせように指示する。核などと言われてしまえば、どうしようない。ザフトに敗北する事となろうとも、国の人間を守るために動か
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