幕間
Trick@03-2_俺の工場(ファクトリー)に
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佐天も頬を膨らませて出て行った。
4人は出て行った。
「信乃、私が気付いていないとでも思った♪?」
「・・・・何の事だ?」
片目を閉じて、肩をすくめておどけて返す。
「魔法陣の話だけど、信乃は一度も座禅に使っているとか
集中力を上げるために使っているとか言っていないよね♪」
「ま、所詮戯言だけど」
信乃は一度として、魔法陣ではないと否定していない。
中国拳法の修行方法を紹介し、A・Tの組み立てには集中力が必要だと言っただけ。
ついでに言えば中国拳法も体験したわけではなく、旅の途中で話に聞いただけの事を
話したに過ぎない。
「ほら、最年長お前も行けよ」
「信乃、一人で寂しくない♪? 添い寝してあげる♪?」
「殴ってもいいですか?」
「冗談だよ♪」
信乃をからかって美雪は隣の部屋に戻って行った。
「・・・・魔法陣だと一発で分かるとは思わなかったな」
信乃は右手で図や文字が書かれた布に触れた。
佐天の言った魔法陣というのは正解である。
正確にいえば魔法陣ではなく錬成陣。
信乃が2つしか使えない魔術の内の一つ、錬金術。
それを補助する作用があるのかこの錬成陣であった。
A・Tのパーツは専用の物が多い。
A・Tが生産されていない現代で作り出すには相当な人脈が
必要になる。また、パーツの材料も特殊で珍しいものが多い。材料そのものを
手に入れても、加工を他者に任せれば珍しい金属に引かれてワラワラと
金にしか興味が無い信用できない奴らが集まってくる。
だから信乃はA・Tの材料を金属の原石レベルから取り寄せ、後の加工は全て
錬金術を用いて自分の手で行っていた。
信乃の錬金術は、術速度が非常に遅いため戦闘に使う事が出来ない。
錬金術で罠にはめるため1メートルほど穴を作る、いわゆる落とし穴を
作るのでさえ30分も必要とする。
だが、錬金された物体の精度は高かった。
金属は純度が高ければよいという訳ではない。
ある程度の混じりものがある方が強度を増す金属がある。
最たる例が鋼だ。鉄の中に炭素を2%程含めることで強度が増す。
数量の不純物を均等に、適量に混ぜ合わせることは信乃の得意技であった。
そしてもう一つの魔術が解析魔術。
人間や物体の構造を把握する魔術。その把握能力により、A・Tの調律を行っている。
A・T全盛期では直接人間とA・Tの音を聞いて合わせることで調律をしていた。
信乃は諸事情により音を直接聞く方法を取らず、解析魔術を使って調律の代用をしている。
代用と言っても完全に調律した状態の90%以上、充分な結果をだすことができる。
錬金術
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