幕間
Trick@03-2_俺の工場(ファクトリー)に
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
不可能であるのだが、信乃はそのことを言わなかった。
「さて、話し疲れたし夕食でも食べますか」
ピュキーン! と効果音が鳴ったような顔で御坂は信乃を凝視した。
「夕食!? 信乃にーちゃんが作ったの!?」
「う、うん・・」
今にも噛みつきそうな勢いで信乃に迫ってきた。
あまりの迫力に信乃も若干引いてきた。
「み、御坂さん、落ち着いてくださいよ。どうしたんですか?」
「信乃にーちゃんがご飯作ったのよ!? 落ち着いていられますか!?」
「信乃さん、そんなに料理が下手なんですか?」
「逆よ!!」
「琴ちゃん落ち着いて♪ その反応怒っているように聞こえるよ♪」
「部屋に来たばかりの時、料理好きだって御坂さんがいってなかったっけ?」
「信乃さんのご飯はそんなにおいしいのですか?」
「たしか水着撮影のときには珍味カレーを披露してましたね」
「あれは材料が悪かったから珍味になったのよ!
むしろあの材料で食べられるもの作ったのよ、すごいしか思えないじゃない!
今度は正真正銘の、普通の料理よ!!」
「そうですね。イチゴとか摩り下ろしトウモロコシからあの味は奇跡ですね。
それなら期待しちゃいますよ」
「期待するのはいいけど覚悟した方がいいわよ。
うちのお母さん、プライド壊されたから」
「「「え?」」」
何気なしに言った御坂の一言に3人は固まってしまった。
「旅から戻ってから更に上手くなっているから琴ちゃんも覚悟が必要かもね♪」
「大丈夫! すでにいろいろ諦めているから!!」
「それは女としてどうなんだよ琴ちゃん」
御坂家と仲の良い信乃は、当然御坂美琴の母である美鈴にも料理を出したことがある。
信乃の料理を食べた美鈴はおいしさに頬を緩ませ、そして母親という立場として
自分よりも料理が上手いことに複雑な顔をした。
同時に料理を食べた美琴が「お母さんよりおいしい!」と無邪気に言った言葉が
美鈴の致命傷となったのであった。
しかし今では御坂母子ともに信乃の料理を食べるときは女のプライドを放棄すると
決めているから問題ではない。
「てか、ひどい言いようだな。もう二度とご飯つくらねぇぞ?」
「「ごめんなさい!!♪♪」」
「・・・見事な土下座・・・
さて、料理を盛り付けるか。3人共、食べるよね?」
信乃の言葉で3人は気付き、硬直から解放された。
「は、はい! 楽しみです!」
「そこまで言うのでしたら・・満足させてくださいですの」
「どうしよう・・・信乃さんの手料理は食べたいけど女のプライドが・・・」
純粋な初春、挑戦的な白井、恋する乙女の佐天が答えた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ