第二話
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よ。援軍を呼ぶなら天界の本拠地からお願いします。では」
男はそう言うと、半ば強引に電話を切った。
「上層部も自分の拠点さえよければどうでもいいんですかねぇ。この施設が落ちれば、兵器やチップの開発もままならないと言うのに」
男も、上層部の無茶苦茶なやり方に頭を抱えているようだった。
そうこうしていると、ノックとともに一人の兵士が中に入ってきた。
「失礼します。霊烏路空と火焔猫燐の配置が完了しました」
「ごくろうさまです。主さんは?」
「以前と部屋の中に引きこもってます」
「彼女も動いてくれると助かるんですが、まあいいでしょう。予定通り、両二名の戦闘準備は整えて置いてください。あと、人質の見張りは少なくしておくように」
「よろしいのですか?」
「かまいません。もし彼らが来るのであれば、真っ先にそこに向かうでしょう」
「了解しました……」
兵士は一礼すると、そのまま部屋をあとにした。
「さて、問題は報告にもあったEMPについてでしょうかね」
男は一枚の書類を見ながらそう呟いた。
「……再思の道で起きた戦闘では、クルト大尉の殉職と引き換えに里中俊司の殺害に成功したと聞いていましたが……どうもひっかかりますね」
再思の道での出来事は、地霊殿まで届いていた。そのときの報告にはクルトの死体は確認できていたが、里中俊司の死体は発見できず、彼に関する遺品すら発見できなかったという内容だった。
だが、今回地上で風見幽香の捕獲作戦の際、EMPが使われたことがどうも引っかかっていた。相手の外来人には元革命軍の兵士もいるが、彼は普段前線に出ていないうえEMPを作り出す技術があるわけでもない。
ほかの外来人がいたと考えるのが妥当だが、男はそれ以外の可能性を考えていた。
「……確信はないのでわかりませんが、もしそうだとすると……厄介ですね」
そう言って男は、また書類を整理していた。
地霊殿付近
別行動をはじめて数分後、俊司たちは地霊殿のすぐ近くまで来ていた。
幸い道中で革命軍との接触を避けることはできたが、どうやらここから先は接触なしでの行動は難しそうだった。
「さて、ここからですね」
「どうするんだい? ここからはあいつらが見張ってるようだし」
「潜入自体は難しくなさそうですけどね……準備はいいですか?」
俊司がそう尋ねると、四人はなにも言わずにコクリとうなずいた。
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